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騎乗訓練後の手入れの様子
騎乗訓練後の手入れの様子

栃木県・那須塩原市の地方競馬教養センターでは、未来のジョッキーたちが2年間、厳しい訓練と規律ある生活を送っている。早朝からの馬の世話や体重管理など過酷な環境の中で育てられるのは、“勝てる騎手”ではなく「誰からも愛される騎手」。現地取材を通して、その実態と理念に迫った。[2/5ページ]

訓練の実態と最初にぶつかる壁

騎手にとって体重は絶対条件

では、その養成の現場では何が起きているのか。

まず候補生たちが直面するのは、競馬の技術ではなく「生活」そのものだ。

「最初は集団生活に苦労する子が多いですね。規則正しい生活やホームシックなど、環境の変化が大きいので」

自由が制限された寮生活の中で、自分を律することが求められる。この段階でつまずく者も少なくないという。

そして、その壁を乗り越えた先に待っているのが、騎手という職業の宿命ともいえる「体重管理」だ。

「騎手にとって体重は絶対条件です。成長期と重なるため、苦労するケースが最も多いですね」

また、技術面で同期と比較し、自らの現状を突きつけられる場面もある。

「他の人との差を見てショックを受けることもあります。ただ、それをどう受け止めて乗り越えるかが重要です」

しかし、単に比較するだけでは意味がない。

「比べるだけで満足してしまっては成長にはつながりません。そこからどう行動するかが大切です」

技能審査などの節目では結果が明確に示されるため、否応なく現実と向き合うことになる。

結果に一喜一憂するだけで終わるのではなく、自身の課題を見極め、次の行動へと落とし込めるかどうか。その積み重ねこそが、未来へとつながっていく。

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