【騎手候補生インタビュー】 地方競馬教養センターの1日と候補生たちのリアルな声

地方競馬の未来を担う騎手たちは、どのような日々を過ごし、どこを目指しているのか。
栃木県にある地方競馬教養センター。ここでは騎手候補生たちが、2年間にわたり厳しい訓練と規律ある生活の中で、技術と人間性を磨いている。
早朝から始まる厩舎作業、繰り返される騎乗訓練、そして限られた自由時間。その生活は、一般的な学生生活とは大きく異なる。
本記事では、教養センターでの1日のスケジュールとともに、実際にその環境で過ごす候補生たちの声を通して、“騎手になるまでのリアル”に迫る。[1/4ページ]
※本取材は2026年3月に実施。記事内の内容は取材時点のもの。
教養センターで過ごす“2年間”のリアル
騎手候補生の1日を追う
地方競馬教養センターでの生活は、一般的な学生生活とは大きく異なる。
その一日は、まだ空が明るくなる前から始まる。
※本記事で紹介するのは春・秋の通常スケジュール。
夏季は暑さ対策のため、全体的に時間が前倒しされ、冬季もスケジュールが一部変更される。

平日のスケジュール
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 5:30 | 起床 |
| 5:35 | 点呼・体重測定 |
| 5:40〜5:55 | 清掃 |
| 6:00〜7:30 | 体操・厩舎作業 |
| 7:50 | 朝食 |
| 8:30〜9:00 | 馬装 |
| 9:00〜10:00 | 実科Ⅰ |
| 10:00〜10:20 | 馬手入れ |
| 10:30〜11:30 | 実科Ⅱ |
| 11:40 | 昼飼付 |
| 12:00 | 昼食 |
| 13:15〜14:00 | 学科Ⅰ |
| 14:05〜14:50 | 学科Ⅱ |
| 15:00〜16:00 | 馬手入れ |
| 16:00〜16:50 | 厩舎作業 |
| 16:50〜17:00 | 馬具手入れ |
| 17:00〜17:50 | 自主トレーニング |
| 18:00 | 夕食 |
| 18:30〜19:10 | 自習 |
| 19:15〜19:30 | 馬管理 |
| 19:35 | 点呼 |
| 19:40〜21:15 | 自由時間 |
| 21:15 | 点呼・消灯 |
■朝は「馬のための時間」から始まる
起床後すぐに体重測定と清掃を行い、そのまま厩舎へ向かう。
馬の健康状態の確認、馬房の掃除など、朝の時間はすべて馬の世話に充てられる。
この時間は単なる作業ではない。
馬の状態を知り、信頼関係を築くための大切な時間でもある。
■訓練と学科が行われる日中
午前中は実科(騎乗訓練)、午後は学科が行われる。
騎乗技術だけでなく、競馬に必要な知識も同時に身につけていく。
午後の学科の後は馬手入れ・厩舎作業が続く。
1日の大半は「馬と向き合う時間」で構成されている。
■自由時間は限られている
夕食後に自由時間はあるものの、その時間は決して長くはない。
入浴や身の回りのことも含めると、自由に使える時間は限られている。
21時15分には点呼、そのまま消灯となる。

休日のスケジュール
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 6:00 | 起床 |
| 6:05 | 点呼・体重測定 |
| 6:15〜6:25 | 清掃 |
| 6:30〜8:00 | 体操・厩舎作業 |
| 8:10 | 朝食 |
| 9:30〜9:50 | 厩舎作業 |
| 11:30 | 昼飼付 |
| 12:00 | 昼食 |
| 15:00〜16:00 | 厩舎作業 |
| 18:00 | 夕食 |
| 19:15〜19:30 | 馬管理 |
| 19:35 | 点呼 |
| 19:40〜21:15 | 自由時間 |
| 21:15 | 点呼・消灯 |
■休日でも「完全な休み」ではない
休日は平日より起床時間が遅くなるものの、厩舎作業や馬の世話は変わらず行われる。
馬と生活する以上、候補生の生活もそれに合わせて続く。
■外出は貴重な息抜き
外出が許可されるのは、おおよそ2週間に1回。(厩舎作業は当番制)
外食を楽しんだり、スーパーで買い物をしたりと、限られた時間が息抜きの場になる。
■自由時間も平日より増える
訓練がない分、自由な時間は長くなる。
仲間と過ごす時間や、自分を整える時間として使われる。
■この生活の先にあるもの
早朝の起床、厩舎作業、繰り返される訓練。
その一つひとつが、騎手としての土台を作っていく。
レースで見る数分間の騎乗の裏には、こうした日々がある。
この場所で過ごす2年間は、単なる訓練ではない。
騎手として生きていくための「生活そのもの」を身につける時間だ。
教養センターでの生活は決して楽ではない。それでも、その先にあるものは確かだ。
馬に乗る仕事。レースで戦う世界。その第一歩が、ここから始まる。
続くページでは、実際に取材した候補生たちの声を紹介する。


