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各々でトレーニングする第108期騎手候補生
各々でトレーニングする第108期騎手候補生

こうした日々を過ごす中で、騎手候補生たちは何を感じ、どこを目指しているのか。ここからは、実際に取材した候補生たちの声を紹介する。すでにデビューを果たした107期生と、これからプロの舞台を目指す108期生。それぞれの立場から語られる言葉には、その先にある覚悟がにじむ。[4/4ページ]
※本取材は2026年3月に実施。記事内の内容は取材時点のもの。

騎手候補生インタビュー③

【落合さくら】(おちあいさくら・108期生)

第108期騎手候補生の落合さくらさん
第108期騎手候補生の落合さくらさん

「女性騎手として、記録の先を目指す」

船橋競馬場所属予定の落合さくらは、東京都出身。
幼少期の5年ほどをアメリカで過ごした後に帰国。やがて千葉の乗馬クラブに通うようになった。その縁もあり、船橋競馬場を志望したという。

目標にしているのは、宮下瞳騎手の女性騎手最多勝利記録。
ただ、見据えているのは“女性騎手の中で勝つこと”だけではない。

「宮下瞳さんの女性騎手最多勝利記録を目指していますが、それだけではなくて、男性の騎手とも対等に勝負できるようなジョッキーになりたいです」

さらに、JRAでは武豊騎手の騎乗姿勢を参考にしている。実際、日々の訓練でも姿勢への意識は強い。馬場の横にある鏡でフォームを確認し、走路では影を見ながら自分の騎乗姿勢をチェックする。
教官から「お尻の位置が高い」と指摘されることが多く、木馬に乗る時にもその修正を意識している。

取材した3月時点では、教養センターの騎手候補生では女性は1人(現在は109期生に5人の女性が入所している)。入ったばかりの頃は筋力差もあって訓練がきつかったというが、今は「もう大丈夫」と話す。

日々の生活の中では、食事の時間や2週間に1度の外出が息抜きになっている。パン屋やマクドナルドに行き、スーパーで2週間分のお菓子をまとめて買うのが息抜きになっている。

体重管理については、現時点で大きな負担は感じていないという。ただ、今後の競馬場実習も見据え、気を抜かないようにしている。

記録を追うだけでは終わらない。
その先を見据えながら、落合さくらは来年のデビューに向けて走り続ける。

【鈴木心覇】(すずきしんば・108期生)

第108期騎手候補生の鈴木心覇さん
第108期騎手候補生の鈴木心覇さん

「“名前で覚えられる騎手”として、早くから結果を出したい」

茨城県出身の鈴木心覇は、3月の取材時点では所属競馬場は未定。川崎競馬場所属を希望している。

高校時代に馬術をやっており、その時のコーチの先生の知り合いがいる縁で、川崎を志望しているそうだ。

名前についての意識も印象的だ。

「ジョッキーは名前が出る職業ですし、『鈴木』はたくさんいると思うのですが、名前の『心覇』で覚えていただけるのは、強みだと思っています」

目標にしている騎手は、川崎の野畑凌騎手。1年目からすぐ活躍し、佐々木竹見カップにも出場している点に強く惹かれているという。

「自分も同じように、若くから活躍したいです」

その先に見ているのは、単に勝てる騎手になることだけではない。

「もちろん勝てるジョッキーにはなりたいですが、自分を見て競馬に興味を持ってもらえるジョッキーになりたいです。競馬界を代表するような、お手本にされるジョッキーを目指します」

教養センターの生活では、毎日時間に追われる感覚が大変だと話す。それでも、その環境を前向きに受け止めている。

「実際に騎手になったら常にそういう生活だと思うので、それの練習だと思って生活しています」

“名前で覚えられる騎手”になる。その目標に、迷いはない。

【了】
【文●競馬チャンネル編集部】

厩舎地区の中央に設置されている時計
厩舎地区の中央に設置されている時計

【文●競馬チャンネル編集部】
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