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【武豊の日本ダービー全6勝プレイバック】スペシャルウィークからドウデュースまで、伝説の戴冠を振り返る

text by TOM
武豊騎手の日本ダービー全6勝
武豊騎手の日本ダービー全6勝

1987年のデビュー以来、日本競馬界の第一線を走り続けてきた武豊騎手。日本ダービーには、これまで1988年にコスモアンバーで初騎乗して以降、1992年と負傷で騎乗できなかった2010年以外、すべての年で騎乗馬を任されてきた。本記事では、レジェンド武豊騎手の前人未到、歴代最多記録となる日本ダービー全6勝を振り返る。[1/6ページ]

1998年日本ダービーを制した時のスペシャルウィーク
1998年日本ダービーを制した時のスペシャルウィーク

①1998年 スペシャルウィーク

悲願のダービー制覇…10度目で掴んだ夢の瞬間

 レジェンドジョッキー武豊がはじめて日本ダービーの栄冠を手にしたのが、1998年の第65回日本ダービーだった。スペシャルウィークとコンビを組み、5馬身差で圧勝した。

 スペシャルウィークは、1997年11月のデビュー戦を快勝。その後も弥生賞を含む重賞連勝で4戦3勝とし、皐月賞へ向かった。

 単勝オッズ1.8倍の断然人気に支持されたが、大外枠が響き、直線では上がり最速の末脚で追い込むも、セイウンスカイ、キングヘイローに届かず3着に敗れた。

 しかし、雪辱を期して迎えた日本ダービーでも、ファンからは巻き返しへの期待の高さが表れた単勝2.0倍の1番人気に推され、5番ゲートに入った。曇り空の下、稍重の馬場状態で行われた夢の祭典となったが、スペシャルウィークと武豊に不安要素はなかった。

 レースは、皐月賞2着のキングヘイローが主導権を握り、1000m通過が1分00秒6のミドルペースで進んだ。道中、武豊とスペシャルウィークは馬場の内め、9~10番手付近を追走。

 ポジショニングは変わらずも、第3コーナーあたりでは徐々に馬場の良い外めに進路を取りつつ、馬群がギュっと固まり出した最終コーナーでは8番手の位置に上がっていた。

 最後の直線入り口、武豊のスペシャルウィークは手応え十分に馬群の間を割って出る。すると早め先頭に立った皐月賞馬のセイウンスカイ目がけてエンジン点火。鋭い末脚であっという間に2番手にまで浮上し、残り250m付近では並ぶ間もなく先頭に立つ。

 脚色はまったく衰える気配がなく、後続馬を突き放す一方のワンサイドゲーム。良馬場以外では現在も日本ダービー史上最速となる2分25秒8の時計でゴール板を走り抜けた。直後に武豊は愛馬を労った後、何度も右拳を振り上げて、喜びを爆発させた。

 レース後のインタビューでは「ほんとにうれしいですね。もうほんとに、ただうれしいというだけですね」と喜びを何度も表現した。「子どもの頃からの夢だったので、やっと叶ってうれしいです」とさわやかに語った武豊騎手のコメントには、10度目にして念願のダービージョッキーとなったことへの歓喜が凝縮されていた。

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