
日本競馬の歴史には、マイル戦で圧倒的な強さを見せた名馬が数多く存在する。国内のマイル路線を制圧した馬、海外の強豪を撃破した馬、さらには短距離や中距離でもG1を制した馬など、その活躍は実に多彩だ。今回は、そんな歴代の名マイラーの中から、特に印象的な5頭を紹介する。皆さんが思い浮かべる「最強マイラー」は、この中にいるだろうか。[5/5ページ]
⑤ジャンタルマンタル

「距離の融通が利く」「どんな競馬場でも力を発揮する」「展開に左右されない」などのオールマイティーな馬には、強さを感じる。例えばダイワスカーレットは、距離・競馬場・展開問わず、現役引退までオール連対を果たした。
一方、大敗もするが条件によっては圧倒的な強さを発揮する馬にも魅力を感じるものだ。得意とは言えなかった東京コースなどでは大敗することも多かった、ゴールドシップの人気が高いのもうなずける。
ジャンタルマンタルは、どちらかといえば後者のタイプ。そしてジャンタルマンタルが苦手としていたのが、香港・シャティン競馬場であった。
日本国内の1600〜1800mでは、8戦6勝2着2回とほぼパーフェクトな成績。3歳時に挑戦した2000mの皐月賞でも僅差の3着と好走しており、国内で崩れることはなかった。
2歳時には朝日杯フューチュリティステークス、3歳時にはNHKマイルカップ、4歳時には安田記念とマイルチャンピオンシップを勝利し、牡馬が出走可能な国内の芝マイルG1を完全制覇。これは史上初の快挙であり、まさに国内マイル路線には敵なしという状況だった。
そうなれば、狙うはもちろん海外G1のタイトル。しかし、3歳時の香港マイルと4歳時のチャンピオンズマイルで、海外G1制覇を目指して香港に遠征したが、結果はともに13着に敗れた。
シャティンの芝が合わなかったのか、海外への輸送が合わなかったのか、環境が変わることに敏感だったのか。明確な理由は分からないが、日本国内では見せたことのない大敗に、驚いた競馬ファンも多かっただろう。
もちろん、この2度の大敗によってこの馬の成し遂げてきた功績が変わるわけではない。同世代だけでなく、前後の世代のライバルにも強さを見せつけたジャンタルマンタル。日本のマイル路線に限れば、歴代最強候補に挙げても何ら不思議ではない名馬だった。
今回紹介した5頭は、いずれも「最強マイラー」と呼んでも過言ではない名馬たちばかりだ。
しかし、もちろん今回挙げた5頭以外にも、ノースフライトやダイワメジャー、ソングラインなど、歴史に名を残した名マイラーは数多く存在する。
活躍した時代も、得意とした競馬場も、強さを発揮したレース展開も異なるだけに、歴代最強の一頭を決めるのは容易ではない。
皆さんが思い浮かべた「最強マイラー」は、この5頭の中にいただろうか。
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【著者プロフィール:中西友馬】
1993(平成5)年6月18日、神奈川県横浜市生まれ。大学卒業後、競馬新聞社に入社し、約7年間専門紙トラックマンとして美浦に勤務。テレビやラジオでのパドック解説など、メディア出演も行っていた。2024年よりフリーライターとしての活動を始め、現在は主に、株式会社カンゼンが運営する競馬情報サイト『競馬チャンネル』内の記事を執筆している。
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