
日本競馬の歴史には、マイル戦で圧倒的な強さを見せた名馬が数多く存在する。国内のマイル路線を制圧した馬、海外の強豪を撃破した馬、さらには短距離や中距離でもG1を制した馬など、その活躍は実に多彩だ。今回は、そんな歴代の名マイラーの中から、特に印象的な5頭を紹介する。皆さんが思い浮かべる「最強マイラー」は、この中にいるだろうか。[2/5ページ]
②モーリス

タイキシャトルやグランアレグリア、ロードカナロアなどが達成した、スプリントとマイルの2階級制覇。それに対してモーリスは、ダイワメジャーやカンパニーなどと同じく、マイルと中距離の2階級でG1を制した馬だ。
ただ、中距離に挑戦したのは現役晩年の半年のみであり、最強マイラーの中にカウントしても文句が出ることはないほどに、マイル戦で圧倒的な強さを発揮していた。
4歳時には安田記念とマイルチャンピオンシップを制し、春秋マイルG1制覇を達成。さらに香港マイルでも地元の強豪を撃破し、国内外のマイルG1を席巻した。翌年はチャンピオンズマイルで香港のG1連勝を果たしたのち、夏以降は中距離路線へと舵を切る。
すると、中距離路線でも強さを発揮し、天皇賞(秋)と香港カップを連勝。衰えを全く見せず、むしろ新たな可能性を感じさせるレースぶりを見せて、現役を引退した。
日本国内でG1を3勝、香港でも同じくG1・3勝を挙げた名馬。そしてこの馬を語るうえで欠かせないのが、栗東から美浦への転厩である。
G1をこれだけ勝つ馬が、調教師の定年などではないタイミングで転厩するということは、なかなかのレアケース。
実際、転厩時点では2勝馬だったモーリスは、堀宣行厩舎への移籍後に一気に覚醒。転厩初戦の若潮賞から7連勝を飾り、その間に安田記念、マイルチャンピオンシップ、香港マイル、チャンピオンズマイルと4つのG1を制した。
もちろん、環境が変わったことがこの馬に良い影響を与えた可能性はあるが、成長のタイミングと転厩のタイミングがちょうど重なった可能性も十分考えられる。それでも、転厩後もじっくりと成長を促した堀厩舎の手腕は、高く評価されるべきだろう。


