
雨で馬場が悪化すると、多くの馬は走りづらそうな様子を見せる。一方で、そんなドロドロ馬場をものともしない“道悪巧者”も存在する。国内外の重・不良馬場で圧倒的なパフォーマンスを披露し、競馬ファンの記憶に強烈な印象を残した名馬たち。今回は、まさに「道悪の鬼」という名に相応しい5頭を厳選して紹介する。[5/5ページ]
他馬が止まって見えた…父譲りの適性を証明した豪脚
ソールオリエンス

キタサンブラックが天皇賞(秋)で衝撃的なインまくりを披露してから約5年半が経った、2023年の皐月賞。雨の染み込んだ重馬場をスイスイと走る、1頭のキタサンブラック産駒がいた。それがソールオリエンスである。
キタサンブラック産駒でありながら、父とは真逆の戦法で4角後方2番手。インまくりではなく馬群の大外へと持ち出すと、直線だけでごぼう抜きを果たしての差し切り勝ち。レース上がりが37秒2という消耗戦を、上がり3F35秒5の末脚で突き抜けた。
戦法こそ違えど、道悪適性はしっかりと父から受け継がれていることを証明した一戦。まさに他馬が止まって見えるという表現がぴったりくるレースであった。
そして道悪巧者は、みんなが忘れた頃に再び激走するもの。その皐月賞から1年2ヶ月勝ち星から遠ざかっていたこの馬が輝きを取り戻したのが、2024年の宝塚記念。7番人気と評価を落としていたが、またも後方から外を回って末脚一閃。惜しくも勝ち馬のブローザホーンには及ばなかったが、2着に好走して復活を印象付けた。
その後勝利を挙げることはできなかったが、この馬の半兄である富士ステークス勝ち馬ヴァンドギャルドは、良馬場以外で4戦3勝。そしてこの馬の半妹であるフィロステファニは、雨の降る稍重のアルテミスステークスを勝利。
父キタサンブラックだけでなく、母系も道悪巧者を多数輩出している、まさに道悪血統。ソールオリエンス産駒がデビューを果たした際には、ぜひ道悪で積極的に狙ってみたいものである。
今回紹介した5頭はいずれもG1勝ち馬であり、もちろん良馬場のレースでも活躍しているが、道悪での走りが非常に印象的な馬たち。
今後道悪のレースで、出走馬の血統表にこの5頭の名前を見つけたら、無条件で買ってしまいそうである。
【関連記事】
・【ディープインパクト後継種牡馬5選】“衝撃”を未来へつなぐのは? 実績馬から台頭する新勢力まで紹介
・【武豊一筋の名馬5選】まさに一心同体!武豊騎手と全レースを共にした黄金コンビの物語
・【無冠の父から生まれたGⅠ馬 5選】とんびが鷹を生んだ?血統の常識を超えた競馬のロマン
【著者:中西友馬】
【了】


