HOME » コラム » 5選 » 【道悪の鬼5選】雨が降るほど強くなる!? 泥んこ馬場で激走した名馬たち » ページ 4
道悪の鬼5選ⓒSANKEI
道悪の鬼5選ⓒSANKEI

雨で馬場が悪化すると、多くの馬は走りづらそうな様子を見せる。一方で、そんなドロドロ馬場をものともしない“道悪巧者”も存在する。国内外の重・不良馬場で圧倒的なパフォーマンスを披露し、競馬ファンの記憶に強烈な印象を残した名馬たち。今回は、まさに「道悪の鬼」という名に相応しい5頭を厳選して紹介する。[4/5ページ]

たった一度で伝説に…泥んこの府中を制した王者の走り

キタサンブラック

2017年天皇賞(秋)を制したキタサンブラック
2017年天皇賞(秋)を制したキタサンブラック

 日本の重馬場とはまた異質な、欧州の重馬場。そこでも結果を残している馬はもちろん、「道悪の鬼」と言っても差し支えないだろう。ただこの馬に関しては、凱旋門賞はおろか海外遠征の経験自体がない。

 それでもレジェンド武豊騎手が、「ともに凱旋門賞に挑戦してみたかった馬は?」という質問を投げかけられたときに、真っ先に名前が挙がったのがキタサンブラックであった。

 それほどまでに主戦の武豊騎手が、タフな馬場コンディションへの適性に自信を持っていた馬だということである。そして大半の競馬ファンも、そのレジェンドの言葉を聞いて、納得したに違いない。

 しかし意外にもこの馬、キャリアの中で重・不良の馬場で走ったのは一度きり。それが2017年の天皇賞(秋)であった。

 主導権を握る、もしくは番手から進める、という戦法を確立していたこの馬にとって、一番恐れていた出遅れ。しかも長距離戦と違って、巻き返しの利きにくい中距離戦で後方からの競馬となる致命的な展開。

 それでも向正面から3角にかけてグレーターロンドンとともに内を使ってポジションを押し上げていくと、直線ではサトノクラウンとの叩き合いを制して勝利を収めた。

 勝ち時計はなんと、東京芝2000mで2分08秒3。2200mの日本レコードが2分09秒0であるから、それとコンマ3秒しか変わらず、まさに欧州競馬のような勝ち時計であった。

 この一戦だけで競馬ファンに「道悪の鬼」というイメージを植えつけており、それだけ衝撃的なレースであった。

1 2 3 4 5