
雨で馬場が悪化すると、多くの馬は走りづらそうな様子を見せる。一方で、そんなドロドロ馬場をものともしない“道悪巧者”も存在する。国内外の重・不良馬場で圧倒的なパフォーマンスを披露し、競馬ファンの記憶に強烈な印象を残した名馬たち。今回は、まさに「道悪の鬼」という名に相応しい5頭を厳選して紹介する。[2/5ページ]
歴史的不良馬場でも圧巻…世界を驚かせた驚異の適性
エルコンドルパサー

エルコンドルパサーのデビュー戦はダート。新馬戦こそ良馬場だったものの、2戦目はダートの不良馬場。
3戦目は初の芝挑戦となるはずだった共同通信杯4歳ステークスに出走したが、雪の影響で、今はもう聞くことのなくなったダート変更。
これまでのダート2戦を7馬身差と9馬身差で圧勝していたエルコンドルパサーにとってマイナス要素ではなく、実際にレースも快勝したが、芝を試してみたいという陣営の思いは空振りとなってしまった。
その待望の芝初挑戦は、次走のニュージーランドトロフィー。重馬場で行われた一戦で強さを見せると、続くNHKマイルカップも稍重の馬場で勝利し、デビューから5連勝でG1初制覇。芝適性に加えて道悪適性の高さも見せた。
秋にジャパンカップを制して世界にその名を轟かすと、翌年は長期の欧州遠征を敢行。ただでさえ日本の芝よりタフな欧州の芝でも結果を残し続けると、その集大成が凱旋門賞。
前日に降った大雨によって、パリ・ロンシャン競馬場は不良馬場。「道悪の鬼」と言われていたモンジューとの死闘の末、半馬身差の2着に敗れたが、3着馬は6馬身後ろ。現地メディアに、「今年の凱旋門賞は勝ち馬が2頭いた」と言わしめる素晴らしい走りであった。
当時も雨馬場になると日本馬にとって不利になるという感覚はあったと思うが、それを覆すような素晴らしい走り。そしてその後に挑戦した日本馬たちは、軒並みタフな欧州の芝に適性を見出せず、凱旋門賞制覇の壁に跳ね返されている。
その姿を毎年のように見てきている今だからこそ、ペネトロメーター5.1という歴史的な不良馬場で好走したエルコンドルパサーの偉大さが際立ってくるのである。


