今週の中央競馬は、先週で今年の福島開催がすべて終了したため、東京・京都の2場開催となる。国内外のトップホースが一堂に会する注目レース、ジャパンカップを含む、3鞍の重賞が組まれている。

　24日(日)には、東京競馬場でジャパンカップ(GⅠ・芝2400m)が行われる。注目は、前走の天皇賞(秋)を勝利し、秋古馬3冠の挑戦権を得たドウデュース(牡5、栗東・友道康夫厩舎)。

　その天皇賞(秋)は、道中後方2番手のポジションながら、直線では1頭次元の違う末脚を発揮しての差し切り勝ち。レース上がりを1秒2も上回る、上がり3F32秒5を叩き出した。久々を激走した反動も心配されたが、1週前追い切りでは抜群の動きを披露。年内での現役引退がすでに発表されており、ジャパンカップと有馬記念も連勝して有終の美を飾りたい。

　それに待ったをかけるのが、今年のオークスと秋華賞を制した、牝馬2冠馬のチェルヴィニア(牝3、美浦・木村哲也厩舎)。秋華賞は、紛れの多いと言われる京都内回りコースも難なくこなしての快勝。同世代の牝馬では、頭ひとつ抜けた能力であることを示した。

　3歳牝馬によるジャパンカップ制覇は、ジェンティルドンナとアーモンドアイという偉大な先輩が成し遂げてきた偉業。チェルヴィニアもそれに続き、歴史的名牝へと歩みを進めることができるか。

　外国馬の筆頭格は、ディープインパクト産駒のオーギュストロダン(牡4、愛・A.オブライエン厩舎)。英ダービーを含むG1・6勝を挙げており、実績は過去の外国馬と比較してもトップクラス。加えて父がディープインパクトとなれば、日本の馬場への適性にもおのずと期待が高まる。これが引退レースとなることが発表されており、最初で最後となる日本でのこの馬の走りを、目に焼きつけたい。

　その他にも、昨年のジャパンカップでドウデュースに先着しているスターズオンアース(牝5、美浦・高柳瑞樹厩舎)や、凱旋門賞からの帰国初戦となるシンエンペラー(牡3、栗東・矢作芳人厩舎)、今年のキングジョージで凱旋門賞馬ブルーストッキングに完勝したゴリアット(セ4、仏・F.グラファール厩舎)など、豪華なメンバーが出走を予定している。

　同日の京都競馬場では、京阪杯(GⅢ・芝1200m)が行われる。

　注目は、昨年の3着馬エイシンスポッター(牡5、栗東・吉村圭司厩舎)。昨年のレースは、道中後方待機から、直線は上がり最速の32秒2という豪脚を披露しての3着。ちなみに1.2着馬のトウシンマカオとルガルは今年のスプリンターズSでワンツーと、ハイレベルなレースであった。脚質的に展開待ちな面は否めないが、爆発力はメンバー随一のものがある。

　対するは、前走のオパールSでリステッド競走3勝目を挙げたビッグシーザー(牡4、栗東・西園正都厩舎)。そのオパールSは、ただ1頭トップハンデの58キロを背負いながら、ゴール前の大激戦を制してみせた。昨年5着に敗れた雪辱を果たし、悲願の重賞初制覇を目指す。

　近走、脚質転換を図っている印象のあるモズメイメイ(牝4、栗東・音無秀孝厩舎)も争覇圏の1頭。今年は逃げる競馬でなくても結果が出ており、なによりアイビスSDを制したスピードはこのメンバーでもトップクラス。自在性を武器に、重賞4勝目を狙う。

　また23日(土)には、京都競馬場で京都2歳ステークス(GⅢ・芝2000m)が行われる。

　注目は、新馬と野路菊Sを連勝したメンバー唯一の2勝馬エリキング(牡2、栗東・中内田充正厩舎)。どちらも後続を引き離すような勝ち方ではなかったが、好位から抜け出すレースセンスを見せての連勝。特に前走は、最後2着馬が詰めてくるともうひと伸びを見せており、着差は半馬身ながら交わされる印象は受けなかった。ここをあっさりと突破するようなら、来年のクラシックへの道が大きく開けてくる。

　そのエリキングに半馬身まで迫ったのが、ジョバンニ(牡2、栗東・杉山晴紀厩舎)。野路菊Sでは、最後の直線入り口となるコーナーで勝ち馬に離された印象を受け、新馬勝ちをした右回りに替わるのは歓迎。前走も3着以降は離して能力を示しており、エリキングへの逆転を誓う。

　そして、そのエリキングに新馬戦で敗れたのがサラコスティ(牡2、栗東・池添学厩舎)。新馬戦は雨の降る重馬場に加え、出遅れが響いて2着に敗れたが、2戦目の未勝利戦は後続を9馬身引き離す圧勝劇。タイム面だけなら、野路菊Sを2秒4上回る好時計での勝利であった。良馬場となることを祈り、再びエリキングに挑戦状を叩きつける。

【了】

（文●中西友馬）

【今週の重賞スケジュール】

11/19(火)
ラブミーチャン記念(SPⅠ・笠松)

11/20(水)
浦和記念(JpnⅡ・浦和)

11/21(木)
東海菊花賞(SPⅠ・名古屋)
兵庫ジュニアグランプリ(JpnⅡ・園田)

11/23(土)
京都2歳ステークス(GⅢ・京都)

11/24(日)
ジャパンカップ(GⅠ・東京)
京阪杯(GⅢ・京都)

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