
競走馬の鼻先に装着するシャドーロール。数ある馬具の中でも見た目に分かりやすく、馬のトレードマークにもなりやすい。本来は馬の下方の視界を遮り、自分の影や地面の模様などに気を取られるのを防ぐための馬具だが、厩舎の色を表すこともある。今回は、そんなシャドーロールが印象的な名馬を5頭紹介する。[5/5ページ]
⑤エフフォーリア

国枝栄元調教師のトレードマークが白のシャドーロールだったのと同じように、鹿戸雄一調教師も管理馬にシャドーロールを着用させることが多かった。しかし、その色は白ではなく、黒のシャドーロール。
鹿戸厩舎所属のエフフォーリアもそれに倣って、デビュー戦から黒のシャドーロールを着用してレースに臨んだ。そのデビュー戦を快勝すると、トントン拍子に共同通信杯で重賞初制覇、皐月賞でG1初制覇を飾る。
そして迎えた日本ダービー。無敗のダービー馬誕生に期待が集まる中、直線で抜け出したエフフォーリアに、内からシャフリヤールが迫った。
写真判定へと持ち込まれた接戦は、ハナ差で内のシャフリヤールに軍配が上がった。決勝写真にも黒いシャドーロールはハッキリと写っていたが、無情にもそのわずか前方にあったのは、シャフリヤールの鼻先だった。
しかし、その敗戦でさらに強くなったエフフォーリアは、古馬相手に天皇賞(秋)と有馬記念を連勝。特に天皇賞(秋)は、1世代上の三冠馬コントレイル、2世代上のグランアレグリアをまとめて退ける圧巻の走りを披露した。
4歳シーズン以降に再びその輝きを見ることはできなかったが、現役引退後は種牡馬となり、2026年に初年度産駒がデビュー。
同年10月にはアゴルディーノがサウジアラビアロイヤルカップを制し、エフフォーリア産駒として初の重賞制覇を飾った。
さらに、父と同じ鹿戸雄一厩舎に所属する産駒ノヴァルクスも、10月25日のデビュー戦を快勝している。
このノヴァルクスは父と同じ鹿毛で、500キロ超の雄大な馬格も父と瓜二つ。そして鼻先には、黒のシャドーロールを着用。偉大な父の背中を追って、今後の活躍が期待される。
今回紹介した5頭以外にも、キングヘイローやマツリダゴッホなど、シャドーロールを着用してG1を制した馬は多数存在する。
ナリタブライアンのように馬具としての効果を期待して着用した馬もいれば、国枝厩舎のように、厩舎所属であることを表す意味で着用しているパターンもある。
シャドーロール着用の経緯は様々あるにしても、今回紹介した5頭はシャドーロールが非常に印象的な馬たちであった。
関連記事
・【100万円超馬券を当てた競馬芸人5選】ヤバすぎて笑えない…?買い方の参考になる“神的中”まとめ
・【歴代最強ステイヤー5選】2500mでも足りない?どこまでも走り続けた、伝説の“スタミナおばけ”たち
・【ディープインパクト後継種牡馬5選】“衝撃”を未来へつなぐのは? 実績馬から台頭する新勢力まで紹介
【著者プロフィール:中西友馬】
1993(平成5)年6月18日、神奈川県横浜市生まれ。大学卒業後、競馬新聞社に入社し、約7年間専門紙トラックマンとして美浦に勤務。テレビやラジオでのパドック解説など、メディア出演も行っていた。2024年よりフリーライターとしての活動を始め、現在は主に、株式会社カンゼンが運営する競馬情報サイト『競馬チャンネル』内の記事を執筆している。
【了】



