
競走馬の鼻先に装着するシャドーロール。数ある馬具の中でも見た目に分かりやすく、馬のトレードマークにもなりやすい。本来は馬の下方の視界を遮り、自分の影や地面の模様などに気を取られるのを防ぐための馬具だが、厩舎の色を表すこともある。今回は、そんなシャドーロールが印象的な名馬を5頭紹介する。[3/5ページ]
③アパパネ

2026年3月に調教師を引退した国枝栄元調教師。JRA通算1123勝という輝かしい実績を残した名伯楽のトレードマークが、白いシャドーロールだった。
国枝厩舎では、厩舎の馬を遠目からでも見分けられるように、白いシャドーロールを装着していた。そのため、アパパネもデビュー戦から白いシャドーロールを着用していた。
そのデビュー戦こそ3着に敗れたものの、2戦目の未勝利戦から連勝を開始。阪神ジュベナイルフィリーズを制して2歳女王に輝くと、翌年には史上3頭目となる牝馬三冠を達成した。
桜花賞トライアルのチューリップ賞と秋華賞トライアルのローズステークスでは敗れたものの、牝馬三冠レースではすべて接戦ながらキッチリと勝ち切るレースぶり。この馬の勝負強さもさることながら、国枝師の本番に向けたピーキングはまさに一流であった。
アパパネの戦績の中で特に印象深いのが、2010年のオークスだ。
サンテミリオンとの激しい競り合いは、約12分間に及ぶ写真判定へ。その結果、JRAのG1史上初となる1着同着が発表された。
そのサンテミリオンとピッタリ鼻面を合わせている決勝写真にも、アパパネのハッキリと白いシャドーロールが写っていた。
5歳秋に屈腱炎を発症して現役を引退後は、繁殖牝馬としても活躍。同じ金子真人オーナー所有の大種牡馬ディープインパクトとの配合で誕生する「12冠ベビー」は毎年注目を集め、4番仔であるアカイトリノムスメは、母仔制覇となる秋華賞を勝利した。
ちなみに、アカイトリノムスメも母と同じ国枝厩舎に所属していたが、秋華賞を制した際にはシャドーロールを着用していなかった。


