
競走馬の鼻先に装着するシャドーロール。数ある馬具の中でも見た目に分かりやすく、馬のトレードマークにもなりやすい。本来は馬の下方の視界を遮り、自分の影や地面の模様などに気を取られるのを防ぐための馬具だが、厩舎の色を表すこともある。今回は、そんなシャドーロールが印象的な名馬を5頭紹介する。[4/5ページ]
④アーモンドアイ

2010年にアパパネで牝馬三冠を達成した国枝栄元調教師。それから8年が経過した2018年、再び牝馬三冠を達成したのがアーモンドアイだった。
この馬もまた、厩舎の先輩であるアパパネと同じく、デビュー戦から白いシャドーロールを着用していた。
そしてデビュー戦で敗れたことも、アパパネと共通している。しかし、2戦目の未勝利戦からは圧倒的な能力を発揮し、連勝街道を突き進んでいった。
同世代には、ひと足先に阪神ジュベナイルフィリーズでG1馬となったラッキーライラックもいたのだが、そのラッキーライラックなどを寄せつけない走りで、史上5頭目の牝馬三冠を達成した。
そして国枝師は史上初めて、2頭の三冠馬を管理した調教師となった。その2頭がいずれも牝馬であったことや、歴代最多タイとなる牝馬G1・12勝を挙げている点から、「牝馬の国枝」と呼ばれるようになっていった。
しかしアーモンドアイの偉業は牝馬三冠にとどまらず、その後も国内外のG1で勝利を積み重ね、G1・9勝という前人未到の記録を打ち立てた。
特に後世まで語り継がれるであろう印象的な一戦が、引退レースとなった2020年のジャパンカップ。この年のジャパンカップには、同年の牡馬三冠馬コントレイルと同年の牝馬三冠馬デアリングタクトという、無敗の2頭が参戦。
2年前に牝馬三冠を達成していたアーモンドアイを含め、史上初めて3頭の三冠馬が一堂に会する夢の対決が実現した。
新型コロナウイルスの影響で入場者数が制限される中で行われたこの一戦。歴史的な顔合わせに注目が集まったが、最後に主役となったのは、白いシャドーロールをまとったアーモンドアイだった。
直線で力強く抜け出すと、後続を寄せつけずにゴール板を先頭で駆け抜け、有終の美を飾った。
国枝厩舎の白いシャドーロールとともに駆け抜けたアーモンドアイ。その躍動は、いつまでも競馬ファンの記憶に残り続けるだろう。


