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大ケガを越えて掴んだ象徴的勝利!落馬から復活を遂げた騎手(1)武豊が最強の理由…重傷からの復活劇

text by 中西友馬
武豊騎手
武豊騎手

競馬ファンであれば、誰もが一度は息をのんだことがあるだろう。全力疾走するサラブレッドの背中から、騎手が宙を舞う落馬。一瞬のアクシデントが命を奪い、あるいは騎手としての未来を断ち切ってきた歴史が、競馬には存在する。今回は、落馬事故から復活を遂げた騎手にスポットを当て、象徴的な5つの勝利を振り返る。今回は1人目。

①武豊

 まず紹介するのは、レジェンドである武豊騎手。デビュー3年目でリーディングを獲得し、2003〜2005年は3年連続で200勝を達成。海外の長期滞在を行った2001年を除いては、常にリーディングで1.2位を争っていたトップジョッキーを悲劇が襲ったのは、2010年の毎日杯。

 このレース、武豊騎手はザタイキに騎乗していたが、スピードの上がっている残り200m付近で故障を発症。ザタイキが転倒したことで武豊騎手はコースに叩きつけられるように落馬。左鎖骨遠位端骨折、腰椎横突起骨折、右前腕裂創の重症を負い、全治半年と診断された。

 全治半年の診断を受けながらも、怪我から約2ヶ月後のダービーでのヴィクトワールピサ騎乗を目標にリハビリのピッチを上げていたが、さすがに無理があり、断念。それでも怪我から約4ヶ月後の8月1日に復帰を果たした。

 しかし、そこから勝利数は激減。数年前には200勝していたレジェンドは、4ヶ月休養していた2010年が69勝にとどまっただけでなく、翌年は64勝、さらに翌年には56勝と、デビュー年を下回る勝利数となっていった。

 それでも武豊騎手は腐らず、2012年秋のマイルチャンピオンシップでサダムパテックに騎乗して勝利。落馬後初のG1制覇を飾ると、迎えた2013年のダービー。

 落馬後に無理してまで乗りたいと願った、武豊騎手にとって特別なレースであるダービーで、武豊騎手はキズナに騎乗。直線大外から豪快に差し切って勝利を収めた。

 ゴール板を過ぎたキズナの馬上で武豊騎手はガッツポーズをし、相棒の首筋を撫でて健闘を讃えた。武豊完全復活を強く印象づける勝利であり、55歳を超えた今でも、第一線で戦い続けている。

【了】

【著者プロフィール:中西友馬】
1993(平成5)年6月18日、神奈川県横浜市生まれ。大学卒業後、競馬新聞社に入社し、約7年間専門紙トラックマンとして美浦に勤務。テレビやラジオでのパドック解説など、メディア出演も行っていた。2024年よりフリーライターとしての活動を始め、現在は主に、株式会社カンゼンが運営する競馬情報サイト『競馬チャンネル』内の記事を執筆している。

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