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【朝日杯FS 有力馬診断】アルテヴェローチェが駆け上がるのか? 逆転狙うタイセイカレントらも差はない

12月15日、京都競馬場にて行われるG1朝日杯フューチュリティステークスに向けて、『競馬の教科書(オーパーツ・パブリッシング)』の著者・玉嶋亮がXアカウントで有力馬の評価を行っている。この記事では、◎候補と△候補に分けて各馬を分析し、朝日杯フューチュリティステークスの行方を占う。

Arte Veloce

◎候補馬(軸候補)

アルテヴェローチェ
サウジアラビアRCでは、中団で折り合いに専念した競馬から、直線で外に持ち出して豪快に追い込んで勝利。クラシック候補が集結するレースでの快勝は、高い評価に値する。一方で、2歳秋の重賞にしてはラップが流れて前崩れに近い展開であったことと、仕掛けてからトップスピードに乗り切るまでの加速力が高いタイプではないのが気掛かりではある。

タイセイカレント
同じくサウジアラビアRCで最後方から追い込み2着。直線では馬群を縫うように進路を切り替え、鋭い末脚で順位を上げた。アルテヴェローチェには1馬身差で敗れたが、着差ほどの力差はない。展開やトラックバイアスが味方すれば、逆転の可能性も十分にある。アルテヴェローチェを高く評価するならば、タイセイカレントも同様の評価を与えたい。

トータルクラリティ
新潟2歳ステークスでコートアリシアンとの追い比べを制して無傷の2勝目を挙げた実力馬。コートアリシアンはその後、阪神JFで最後方から追い込むも、位置取りが悪すぎて6着だったが、上がり2位の34.4は悪くはない。新潟2歳ステークスの内容も一定以上の評価が必要だ。

ミュージアムマイル
黄菊賞ではスローペースながらも、直線では圧巻の加速で突き放し圧勝。上がり33.7秒を記録し、ゴールまで着差を広げる内容は秀逸だった。無敗馬として挑む朝日杯FSで、重賞勝ちの実績馬と初対戦となるが、レース内容はアルテヴェローチェらと同等以上の評価をしても良いだろう。

△候補馬

アドマイヤズーム
新馬戦こそ敗れたものの、未勝利戦では2番手から余裕を持った競馬で快勝。流れに恵まれた部分があり、底を見せていない未知の魅力はある。人気が薄ければ押さえておきたい一頭。

アルレッキーノ
サウジアラビアRCでは、好位の外目を追走し、直線で仕掛けるも伸びを欠いて5着。後続のアルテヴェローチェやタイセイカレントに抵抗なく差されており、勝ち切るには大きな課題が残る。展開に恵まれれば好走も可能だが、優勝までは厳しい。

ドラゴンブースト
デイリー杯2歳ステークスでは、牝馬のランフォーヴァウに先着を許して2着。ランフォーヴァウが阪神JFで惨敗したことを考慮すると、レースレベル自体が疑問視される部分もある。したがって、デイリー杯2歳ステークスでランフォーヴァウと同等以下だったドラゴンブーストは、牡馬と対戦する朝日杯FSにおいて最上位クラスの評価は不要でいい。

ニタモノドウシ
クローバー賞を制して無敗の2勝馬。しかし、クローバー賞のレースレベル自体が低い可能性が高く、好走した他馬のその後の成績も芳しくない。朝日杯FSでは、展開やトラックバイアスに恵まれた場合にのみ押さえる程度の評価が妥当だ。

パンジャタワー
京王杯2歳ステークスを外から差し切りで優勝。例年、京王杯2歳ステークスの上位馬はクラシックでは結果を残せないことが多いが、スピード能力の高さは評価すべき。今年も例外ではないメンバー構成だが、1400m戦で結果を出してきたパンジャタワーが、マイル戦のここでどこまで対応できるか注目だ。

【了】

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<プロフィール>
玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。

▼競馬の教科書シリーズ▼
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