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“欧州最強マイラー”が参戦するマイルCS、好メンバー集結の東スポ杯2歳Sなど 【今週の注目レース】

text by 中西友馬
Charyn
Getty Images

 今週の中央競馬は、先週に引き続き、東京京都福島の3場開催。福島開催に関しては、今年の最終週を迎える。秋のマイル王決定戦マイルチャンピオンシップを含む、2鞍の重賞が組まれている。

 17日(日)には、京都競馬場でマイルチャンピオンシップ(GⅠ・芝1600m)が行われる。注目は、約11ヶ月ぶりの府中牝馬Sを快勝したブレイディヴェーグ(牝4、美浦・宮田敬介厩舎)。
その府中牝馬Sは、直線で目の覚めるような末脚を見せての差し切り勝ち。約11ヶ月ぶりの実戦で12キロ増の馬体であったが、上がり32秒8の切れ味で突き抜けてみせた。

 前走後は連覇のかかるエリザベス女王杯ではなく、牡馬相手のマイルチャンピオンシップを選択。初のマイル戦とはなるが、父ロードカナロアという血統背景からマイナスに働くことは考えにくい。激走の反動さえなければ、ここも好勝負必至だ。

 昨年覇者で連覇を狙うナミュール(牝5、栗東・高野友和厩舎)は、春の安田記念でも日本馬最先着を果たした。その安田記念からのぶっつけとなるが、もちろん今年も有力馬の1頭だ。また、昨年クビ差2着のソウルラッシュ(牡6、栗東・池江泰寿厩舎)は、安田記念でもナミュールからハナ差の3着。こちらは秋に一度使った強みを生かして、悲願のG1初制覇を目指す。

 そしてこれらをまとめて負かす可能性を感じるのが、マイルチャンピオンシップ13年ぶりの外国馬参戦となる、チャリン(牡4、英・R.ヴェリアン厩舎)。昨年まではG1未勝利であったが、今年に入ってから7戦5勝2着2回と大躍進。G1タイトルも3つ獲得し、欧州トップマイラーへと上り詰めた。日本の馬場への適性は未知数だが、ダークエンジェルの産駒はマッドクールなど日本の芝でも活躍を見せている。極端に速い馬場にならなければ、外国馬初の戴冠も十分だ。

また16日(土)には、東京競馬場東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅡ・芝1800m)が行われ、少頭数ながら素質馬が顔を揃えた。注目は、同舞台の新馬戦を勝利したクロワデュノール(牡2、栗東・斉藤崇史厩舎)。その新馬戦は、2番手から楽に抜け出すセンスの高い競馬で、2馬身半差の快勝。勝ち時計の1分46秒7は東京芝1800mの新馬戦史上最速で、2着馬のアルレッキーノが次走を7馬身差の圧勝したことからもレースレベルの高さが窺える。深管によって調整が遅れているという報道もあったが、1週前追い切りでは良い動きを見せており、力を出せる状態にありそうだ。

 東京2000mの新馬戦で4馬身差をつける完勝だったレッドキングリー(牡2、美浦・木村哲也厩舎)は、稍重ながら上がり33秒4の脚を使って2番手追走から突き抜けた。1ハロンの距離短縮とはなるが、スッと2番手につけたレースぶりから追走に手間取ることはなさそう。500キロある大型馬で、一度使った上積みも大きい。同じく2000mの新馬戦を勝利したサトノシャイニング(牡2、栗東・杉山晴紀厩舎)も、エンジンがかかってからは一気の加速で前を捕えての快勝。
初戦も良馬場発表ながら雨が降る中で勝っており、キズナ産駒らしく馬場が渋るようなことがあっても心配はない。

 新潟で新馬勝ちを収めたジーティーマン(牡2、栗東・小栗実厩舎)は、母の母が秋華賞馬ブラックエンブレムという良血馬。その新馬戦はクビ差の着差以上に余裕のある勝ち方を見せており、2着馬も次走であっさりと勝ち上がった。重賞でも素質はヒケを取らない印象だ。

今週の重賞スケジュール

11/11(月)

11/12(火)
ローレル賞(SⅡ・川崎)

11/13(水)
ロジータ記念(SⅠ・川崎)

11/14(木)

11/15(金)

11/16(土)
東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅡ・東京)

11/17(日)
マイルチャンピオンシップ(GⅠ・京都)
南部駒賞(M1・水沢)
徽軫賞(重賞・金沢)

【了】

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