
2024年、産駒の年間獲得賞金が42億円を超え、自身初のリーディングサイアーに輝いたキズナ。祖父サンデーサイレンス、父ディープインパクトに続き、日本競馬史上初となる父仔3代でのリーディングサイアー獲得という快挙を成し遂げた。今回は、そんなキズナの産駒から、特に印象深い5頭を紹介する。[5/5ページ]
⑤ダブルハートボンド

キズナの種牡馬としての魅力はやはり、肌馬の良さを引き出す点にある。現役時代の勝ち鞍は芝1800〜2400mであり、もちろん現役時代に短距離戦やダート戦への出走経験はない。
それでもさまざまな舞台で活躍馬を輩出するのが、血統の面白さである。その点において、キズナの種牡馬としての可能性を大きく広げたのが、このダブルハートボンドの存在であった。
世代としては、キズナ黄金世代である2021年生まれの第5世代。ジャスティンミラノが3歳春から活躍を見せる中、この馬がデビューしたのは、ダービーが終わった後の3歳8月だった。
母がアメリカのダートG1馬であるパーシステントリーであるこの馬は、ダート1800mで既走馬相手にデビュー。
いきなり6馬身差の圧勝を果たすと、そこから連戦連勝。6戦目となった地方交流のブリーダーズゴールドカップこそ2着に敗れるも、JRAでは負けなしのまま、デビューから約1年4ヶ月でG1の舞台までたどり着いた。
舞台は、デビュー戦で6馬身差圧勝を果たした中京1800mで行われる、チャンピオンズカップ。ここでも好位追走から抜け出すと、最後は2年連続で2着が続いていたウィルソンテソーロの意地の猛追をハナ差しのいで勝利をつかんだ。
サンビスタ以来、史上2頭目となる牝馬によるチャンピオンズカップ制覇を、JRAで無敗のまま達成。同時にこれは、キズナ産駒として初のダートG1制覇となり、父にまた新たなタイトルを届けることとなった。
続くフェブラリーステークスでは3着に敗れ、JRAでの連勝は7でストップ。それでも、デビューから無傷の7連勝でダートG1の頂点に立った実績は、キズナ産駒の多様性を象徴するものとなった。
現役時代のG1タイトルは芝2400mのダービーのみでありながら、種牡馬としては幅広いカテゴリーで活躍馬を輩出し続けているキズナ。その勢いは、まだまだ衰えるところを知らない。
この馬が種牡馬を引退するときには、今回紹介した5頭を上回るような大物を輩出しているかもしれない。
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(文●中西友馬)
【了】


