【エリザベス女王杯 有力馬診断】レガレイラの復活なるか? シンティレーション、サリエラも有力候補
11月10日、京都競馬場にて行われるG1エリザベス女王杯に向けて、『競馬の教科書(オーパーツ・パブリッシング)』の著者・玉嶋亮がXアカウントで有力馬の評価を行っている。この記事では、◎候補と△候補に分けて各馬を分析し、エリザベス女王杯の行方を占う。
◎候補馬(軸候補)
レガレイラ
現役牝馬の中でも「関脇」クラスと評価される実力馬。ホープフルステークスではシンエンペラーを撃破する破格の内容を見せたが、その後は成績が低迷。しかし、敗戦の多くには同情の余地があり、実力を発揮できていない部分が大きい。エリザベス女王杯では差し損ねるリスクもあるが、メンバー構成を考えれば上位進出が十分に期待できる。
サリエラ
オールカマーでは「ややイン有利」のトラックバイアスがあったものの、絶好枠の1枠1番が逆にサリエラにとっては最悪の枠順だった。人気を背負っていたこともあり、結果として「消し」と判断せざるを得なかった。しかし、エリザベス女王杯では適性が見直され、巻き返しが期待できる1頭。再び力を発揮できる条件が整えば、高いパフォーマンスが期待される。
シンティレーション
府中牝馬ステークスで自己最高のパフォーマンスを発揮。マスクトディーヴァが進路取りでスムーズさを欠いたため、先着は評価しきれない面もあるが、それでも府中牝馬ステークスでの勝利は立派な内容だ。今年のエリザベス女王杯のメンバー構成を考えるとチャンスが十分にある。もしレガレイラが不発に終わるようであれば、さらに上位進出の可能性が広がるだろう。
△候補馬
コスタボニータ
例年のエリザベス女王杯のメンバー構成であれば即「消し」と判断するレベルの実力だが、今年はメンバーが手薄なため、条件が揃えば一発の可能性がある。トラックバイアスや枠順に恵まれることが前提だが、好走のチャンスも視野に入れられる。
コンクシェル
例年のメンバー水準では実力不足だが、今年のエリザベス女王杯のメンバーが比較的低調であることから、通用する可能性がある。単騎逃げで展開が向くようなレースになれば、上位進出もあり得る。
シンリョクカ
新潟記念で「外回しイン有利」のトラックバイアスを活かしたレース内容だったが、2、3着のセレシオンやキングズパレスには見劣りがある。重賞ウイナーの肩書きは持つが、過大評価は禁物。ただし、今年のエリザベス女王杯は低調なメンバー構成のため、新潟記念と同じ内容で走れば十分に通用する。前目で運べれば、チャンスが広がるだろう。
ハーパー
オークスで2着、桜花賞でも世代上位の実力を見せたが、昨年のエリザベス女王杯や秋華賞でのブレイディヴェーグやマスクトディーヴァには力負けしており、格下の印象は否めない。春クラシックシーズンの輝きは失われているが、もし復調すれば「小結」レベルとしてのチャンスはある。
ホールネス
新潟牝馬ステークスでの完勝、マーメイドステークスでの3着など、近走は好成績を収めているものの、リステッドや条件クラスでのパフォーマンスにとどまる。エリザベス女王杯では2番人気の注目を集めているが、人気ほどの実力があるかは疑問視される。伏兵の一頭として注意は必要だが、過大評価は禁物。
ライラック
一昨年のエリザベス女王杯で2着、昨年も4着と実績を残しており、典型的なスタミナ型の競走馬。今の京都競馬場は冬枯れの馬場へとシフトしており、スタミナが重視される流れとなる可能性が高い。低調なメンバー構成となっている今年のエリザベス女王杯ならば、再度の好走も視野に入れられるだろう。
【了】
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<プロフィール>
玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。2024年10月に新著『競馬の教科書 秋G1特別増刊号』を刊行。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。
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