HOME » ニュース » 最新情報 » 【凱旋門賞2026】メイショウタバルは日本5.4倍、現地29.2倍 オッズに表れた“夢と現実”

【凱旋門賞2026】メイショウタバルは日本5.4倍、現地29.2倍 オッズに表れた“夢と現実”

凱旋門賞連覇を果たしたダリズとミカエル・バルザローナ騎手(2026年)
凱旋門賞連覇を果たしたダリズとミカエル・バルザローナ騎手(2026年)

 2026年10月4日(日)に行われた凱旋門賞は、前年覇者ダリズが連覇を達成した。

 一方、日本から挑戦したメイショウタバルは14着、アドマイヤテラは11着。日本馬による悲願の初制覇は、またしても来年以降に持ち越されることになった。

 レースから一夜明け、結果や敗因が気になるのは当然だ。

 ただ、今回の凱旋門賞を振り返るうえで、もうひとつ気になったものがある。

 それが「オッズ」だ。中でも目を引いたのが、メイショウタバルの単勝だった。

 JRAでは5.4倍の2番人気。勝ったダリズの3.1倍に次ぐ支持を集めていた。

 ところが、フランスの競馬情報サイト「Geny」に掲載された現地PMUオッズを見ると、メイショウタバルは29.2倍の9番人気だった。

 日本馬だから国内で支持が集まった。それ自体は当然で、特に不思議な話ではないだろう。

 しかし、JRAが公開している発売票数を券種別に見ていくと、単勝オッズだけでは分からない、別の見え方が浮かび上がってくる。

メイショウタバルは、日本ですべての券種において「2番手」と見られていたわけではなかった。

■メイショウタバル、日本5.4倍に対して現地29.2倍

 JRAで発売される海外競馬の馬券には、日本国内の投票だけでオッズを算出する「独立プール方式」が採用されている。

 そのため、現地とは別にオッズが形成される。JRAも海外競馬の馬券について、「独立プール方式のため、日本国内独自のオッズとなります」と案内している。

 今回、現地との比較には、フランスの競馬情報サイト「Geny」の凱旋門賞結果・払戻ページに掲載されたPMUオッズを使用した。

※PMUは、フランスで競馬の馬券を取り扱う事業者。Genyの同ページにはPMUとGenybetのオッズがそれぞれ掲載されており、本稿ではPMUの数値を「現地PMUオッズ」として比較している。

馬名 JRA単勝 JRA人気 現地PMU 現地オッズ人気 着順
ダリズ 3.1倍 1 2.2倍 1 1着
メイショウタバル 5.4倍 2 29.2倍 9 14着
カルパナ 5.8倍 3 6.6倍 2 5着
モルティーズクロス 7.3倍 4 8.9倍 3 6着
サンダリングオン 11.5倍 5 10.4倍 4 8着
ヴァランディール 14.6倍 6 14.9倍 5タイ 7着
ダイヤモンドネックレス 15.8倍 7 14.9倍 5タイ 3着
ベンヴェヌートチェッリーニ 17.9倍 8 22.7倍 7 9着
アドマイヤテラ 26.4倍 9 61.9倍 13 11着
フレンドリーソウル 28.9倍 10 27.9倍 8 4着
ミニーホーク 31.4倍 11 33.4倍 10 10着
サダッド 38.3倍 12 57.2倍 12 15着
ベイシティローラー 55.2倍 13 38.9倍 11 2着
ブライトライト 147.6倍 14 106倍 15 16着
チェスナットロケット 188.6倍 15 134倍 16 13着
アローイーグル 218.8倍 16 104倍 14 12着

※JRAは最終単勝オッズ。現地PMUは、フランスの競馬情報サイト「Geny」の結果ページに掲載されたPMUオッズを使用。JRAとPMUでは投票プールなどが異なるため、あくまで両オッズを単純比較したものとなる。

 表を見ると、やはり目につくのは日本馬2頭だ。

 アドマイヤテラはJRA26.4倍に対して現地61.9倍。さらにメイショウタバルは、JRA5.4倍に対して現地29.2倍だった。後者は単純にオッズを比べると5倍以上の開きがある。

 ただ、「日本ではメイショウタバルがダリズに次ぐ2番手評価だった」とまとめてしまうと、少し話が違ってくる。

 JRAの発売票数を券種別に見てみると、単勝ほどには売れていない馬券もあったからだ。

■2番人気だったのは単勝、複勝では4番手

2026年凱旋門賞、スタート直後の各馬
2026年凱旋門賞、スタート直後の各馬

 JRAが公開している凱旋門賞の「発売票数詳細」を見ると、メイショウタバルの単勝には84万4928票が投じられている。

 16頭の中ではダリズに次ぐ2番目。単勝全体573万5861票のうち、約14.7%をメイショウタバル1頭が占めていた。

 単勝5.4倍の2番人気という数字から受ける印象と、ここまでは変わらない。

 ところが、複勝では様子が違う。メイショウタバルに投じられたのは28万9413票。票数ではダリズ、カルパナ、モルティーズクロスに次ぐ4番手だった。

券種 メイショウタバルへの票数 支持順
単勝 844,928票 2番手
複勝 289,413票 4番手
ダリズとの馬連 205,565票 ダリズ相手で5番手
ダリズとのワイド 153,243票 ダリズ相手で5番手

※馬連、ワイドの「5番手」は、ダリズとの組み合わせ15通りの中での票数順位。

 馬連、ワイドを見ても、単勝とは少し違った傾向が出ている。

 1番人気ダリズとの馬連「1-5」は20万5565票。ダリズとの組み合わせでは5番手だった。ワイド「1-5」も15万3243票で、こちらも5番手。

 単勝では2番人気だったメイショウタバルだが、ダリズとの組み合わせでは2番手、3番手という支持ではなかった。

■「勝ってほしい」と「馬券で来る」は別だった?

 単勝5.4倍という数字だけを見ると、メイショウタバルは日本でダリズに次ぐ評価を受けていたように映る。

 ただ、券種別の票数を見ると、特に支持を集めていたのは単勝だった。複勝では4番手。ダリズとの馬連、ワイドではいずれも5番手。少なくとも、すべての券種で「ダリズに次ぐ存在」と見られていたわけではない。

 こ単勝では「メイショウタバルに勝ってほしい」と期待を込めて買う。一方で、複勝や馬連、ワイドとなると、外国馬も含めてより現実的に馬券を組み立てる。

 そんなファンの心理が、票数に表れていた可能性もありそうだ。

 日本馬による凱旋門賞制覇は長年の悲願で、メイショウタバルの鞍上は武豊騎手。「日本馬が勝つなら、この馬に託したい」と単勝を買ったファンが一定数いたとしても不思議ではない。

 その一方で、「3着以内に入る馬」「ダリズと一緒に来る馬」を選ぶとなれば話は別。

 言ってしまえば、単勝では夢を買いながら、ほかの券種ではシビアに馬券を組み立てていたことになる。

 もちろん、発売票数だけで一人ひとりの購入理由までは分からない。単勝と複勝では狙う配当も違い、連系では相手関係も影響する。

 それでも、単勝2番手、複勝4番手、ダリズとの馬連・ワイドでは5番手という差を見ると、「JRAで2番人気だった=日本では能力的に2番手と評価されていた」と単純にまとめてはならない。

 むしろ今回のメイショウタバルには、「勝ってほしい」という期待と、「馬券としてどう買うか」という現実的な判断が、券種によって違う形で表れていたようにも見える。

■アドマイヤテラにも日仏で差

 もう1頭の日本馬、アドマイヤテラにも日本と現地で差があった。

 JRAでは26.4倍の9番人気。一方、現地オッズでは61.9倍で、オッズ順では13番手だった。メイショウタバルほど極端ではないが、こちらも日本の方が強く買われていたことになる。

 日本馬であれば、国内でのレース映像や陣営コメントに触れる機会は多い。普段から海外競馬を追っていないファンにとっても、外国馬に比べれば判断材料は集めやすい。

 そうした情報量の差や馴染みの差も、日本独自のオッズに影響しているのかもしれない。

■2着ベイシティローラーは現地の方が売れていた

 一方、逆のケースもあった。それは、2着に入ったベイシティローラーだ。

 JRAでは55.2倍の13番人気。日本ではかなりの伏兵扱いだったが、現地オッズでは38.9倍。オッズ順では11番手だった。

 結果は、勝ったダリズから1馬身1/4差の2着。JRAでのダリズとの馬連は6930円となった。

 結果だけを見れば、現地の方が多少なりともベイシティローラーを高く評価していた、と言えるだろう。

 ただし、現地で支持を集めている馬が必ずしも好走するわけではない。それでも、日本で馬券が発売される海外競馬において、日本と現地でどの馬の評価が異なっているのかを知るひとつの材料にはなる。

■オッズに表れた「夢」と「現実」

2026年凱旋門賞、スタート直後の各馬
2026年凱旋門賞、スタート直後の各馬

 メイショウタバルは、JRAでは単勝2番手。一方で、複勝やダリズとの連系では支持順位を落としていた。

 そこから見えてくるのは、日本馬に勝ってほしいというファンの“推し”の気持ちと、馬券では冷静に組み立てるシビアさの共存だ。

「夢」と「現実」。

 その両方が同じレースのオッズに表れるところも、海外馬券の面白さなのかもしれない。

【関連記事】
・【アイルランドトロフィー2026・馬体診断】有力馬を100点満点で採点!二冠牝馬カムニャックの状態は?

・【アイルランドトロフィー2026】東京・芝1800mの過去10年データを分析! 種牡馬・騎手・枠順から浮上する狙い目は?

・【大井・レディスプレリュード2026 追い切り診断】S評価は1頭!“キレッキレの動き”を見せた調教No.1は?

【文●競馬チャンネル編集部】
【了】