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【障害戦の予想法】元トラックマン直伝!“障害未勝利”を攻略するポイント③障害4戦目以降の馬の取捨選択

text by 中西友馬
2008年中山大障害を制したときのキングジョイ(写真左・青帽)
2008年中山大障害を制したときのキングジョイ(写真左・青帽)

平地とは異なる魅力が詰まった障害レース。かつて障害試験の採時も担当した筆者が、“史上最強の障害馬”オジュウチョウサンの強さを紐解きながら、「障害未勝利戦」を予想するための具体的なポイント3つに絞り、分かりやすく解説する。今回は3つ目のポイントを紹介する。

障害未勝利を予想するポイント

③障害4戦目以降の馬の取捨選択

 3つ目は、「障害4戦目以降の馬の取捨選択」。これも基本的には、障害2〜3戦目の馬同様に、前走の着順や1着馬との着差に加えて、道中の通過順を見ていくのは同じだ。

 やはり障害戦は、基本的に平地レースと比べて追い込みが利きにくく、道中でポジションを押し上げるのも難しい。特に障害未勝利となると、それがさらに顕著となってくる。その中で通過順を上げてきている馬は、良いポジションを取ることさえできれば、次走で好走する可能性も高いと考えられる。

 そのときにひとつ鍵となるのが、先に障害試験を見るときに重要視すると話した、上がり3Fのタイム。後方から追い上げてきている馬を狙うのであれば、上がり3Fが速い馬を狙えばいいというのは、平地レースと同じように考えれば思いつくところ。

 ただし残念ながら、JRAのホームページではレース上がりこそ載っているが、個別の馬は平均1Fというあまり参考にならない数字が載っているのみ。障害試験のタイムと同じく、競馬新聞を買っている人は個別の上がりタイムを見ることができるが、そうでない場合は、レースリプレイを見ながらだいたいの上がり3Fを計算することも可能である。

 リプレイ映像のゴールタイムから約40秒ほど巻き戻した場面を見ると、残り3Fのハロン棒を見つけることができるはずだ。東京競馬場や中山競馬場などは、平地レースのハロン棒と違って短く目立ちにくいため見つけるのに一苦労だが、必ず画面に映っているはず。

 そこで先頭から約何馬身離れているかを見ながら1馬身=0秒2で計算し、ゴールでの勝ち馬との秒差と差し引きを行ってレース上がりと照らし合わせることで、その馬のだいたいの上がりタイムを導き出すことができる。

 少し手間ではある上に、先頭から離れすぎていると正確なタイムが出せないという側面はあるが、そこまでの労力を費やしてもいいと思えるほど、上がり3Fのタイムはかなり重要なファクターである。

③障害4戦目以降の馬の取捨選択のつづき

 あとは、障害初戦の馬と障害2〜3戦目の馬の取捨選択でも話したが、競馬場ごとの特徴もかなり重要となる。平地時代のクラスは出馬表を遡れば調べることができるため、その馬が平地時代にどんなクラスを走っていたかはぜひ確認してほしい。

 中京競馬場や新潟競馬場でのレースで平地の脚を重要視するのは、もちろん障害何戦目であっても同じこと。逆に飛越の巧さが必要とされる福島競馬場、小倉競馬場、中山競馬場などのレースでは、平地の脚があってもあまり信用できず、同じような飛越の巧さが必要とされるタイプの競馬場での好走実績を重要視したい。

 また、これは平地のレースでも同じことが言えるが、近走で好走している馬が複数いた場合は、どんな馬に負けていたかをチェックして比較することももちろん重要。近走で敗れた馬がその後オープンでも好走していたりする場合は、相手が悪かったと判断することができる。

 障害未勝利は平地の未勝利戦と比べて鞍数が少ないこともあり、レースごとのレベルにもバラつきが出やすい。同じ前走2着や3着の馬であっても、そのレースで勝った馬がどんな馬なのかは、しっかりと精査する必要がある。

 以上、今回は障害未勝利にフォーカスを当ててポイントを説明してきた。ちなみに障害オープンや重賞、J・G1などは、これとは大きく予想のポイントが異なり、今回話したことは全く参考にならないと考えてほしい。

 ほとんどが3000m以下で行われる未勝利戦に対して、オープンクラスのレースはほとんどが3300m以上で行われ、J・G1に至っては4000mを超える。平地レースに例えると短距離戦と長距離戦ほどの距離の差があり、すでに障害戦で勝利を挙げている馬たちの争いであることを考えても、障害未勝利とは異質なレースであることは明らかである。

 ただし、もちろんオープンクラスも非常に魅力的で面白いレースであるため、障害オープンや重賞、J・G1の楽しみ方、さらには予想のポイントについては、また別の機会に改めて整理したい。

 まずは、今回挙げたポイントを意識しながら、障害未勝利戦を観戦してほしい。これで全てを伝え切れたわけではないが、障害戦の見え方が少しずつ変わってくるはずである。この記事をキッカケにして、ひとりでも多くの競馬ファンに障害戦の魅力を知ってもらえたら、嬉しい限りである。

【了】
【著者プロフィール:中西友馬】
大学卒業後、競馬新聞社に入社し、約7年間専門紙トラックマンとして美浦に勤務。テレビやラジオでのパドック解説など、メディア出演も行っていた。2024年よりフリーライターとしての活動を始め、現在は主に、株式会社カンゼンが運営する競馬情報サイト『競馬チャンネル』内の記事を執筆している。

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