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白毛馬を語るならこの血統!華麗なるシラユキヒメ一族(4)逆に目立つ…?白毛一族の鹿毛馬

text by 小早川涼風

2025年8月時点で、日本競馬のサラブレッドには46頭の白毛馬が登録されている。そのうち半数以上を占めるのが、「シラユキヒメ一族」である。一族のG1級勝利は5勝と大活躍で、白毛馬以外でもメイケイエールやママコチャなどの重賞馬も輩出している。今回は、そんなシラユキヒメ一族から5頭を取り上げて順に紹介する。今回は4頭目。

2023年スプリンターズSを制したママコチャ
2023年スプリンターズSを制したママコチャ

④ママコチャ

 ここまで取り上げた3頭は、いずれもシラユキヒメ一族の白毛が遺伝した馬たちである。一方で、白毛を受け継がなかった一族の仔も当然いる。その1頭が鹿毛のママコチャだ。

 ママコチャの父はクロフネで、母はブチコ。G1・3勝を挙げたソダシの全妹にあたる。彼女が初勝利を挙げたのは2歳の10月末。ちょうど姉のソダシが秋華賞を敗れた翌週だった。

 その後、春のクラシックには間に合わなかったものの、3歳夏の条件戦を3連勝してオープン入り。だが昇級後、ママコチャはマイル重賞を2戦して着外に敗れた。これをきっかけに、彼女は短距離路線にシフトする。

 およそ1年ぶりとなった芝1400m戦の安土城ステークスで1着となると、続く北九州記念も2着とし、G1初挑戦となったスプリンターズステークスに3番人気の評価で臨んだ。

 ゲートが開くと、ママコチャはダッシュ良く3番手から進めていく。逃げるジャスパークローネが刻んだ600mのタイムは33秒3とやや速めだったが、当時の中山は多少のハイペースは苦にならない先行有利の馬場。

 ママコチャは勝負所で前を射程圏に入れ直線で抜け出すと、最後は内から猛追してきたマッドクールと併せ馬の様相に。だが、僅かにハナ差だけママコチャが残してG1初制覇した。一族ではソダシに続いて、2頭目のG1ホースとなった。

 レースから4日後、姉のソダシが現役を引退した。「ちょうどいいタイミングでバトンを渡せる」という、金子オーナーの判断だった。

 その期待に応えるかのように活躍を続けるママコチャは、6歳となった2025年の春、中山芝1200mのオーシャンステークスでコースレコードを樹立。まだまだ短距離路線のトップホースとして、我々を楽しませてくれそうだ。

【了】

(文●小早川涼風)

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