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喉から手が出るほど欲しかった…セレクトセール高額落札馬(3)21年ぶり3億超…超期待を伺える冠名は…

text by 小早川涼風

情報の少ない2歳戦を予想する上で、ひとつの重要なファクターとなる「セールでの落札額」。高額で落札された馬は、それだけホースマンが喉から手が出るほど欲しかった馬という前提があるのだ。今回は、2024年のセレクトセール・1歳馬部門において高額(ただし、2億円以上を基準)で競り落とされた馬を5頭を選び、紹介する。今回は3頭目。

ダノンオブアイデア 1歳
ダノンオブアイデア 1歳

③ダノンオブアイデア(3億3000万円)

性別:牡
生年月日:2023年3月29日
毛色:黒鹿毛
馬主:ダノックス
生産牧場:社台ファーム

 2024年のセレクトセール・1歳馬部門において、野田順弘氏が代表を務めるダノックスに落札されたダノンオブアイデア。

 この年に同代表が競り落とした中では3番目の高額落札馬であるが、同馬が誕生した社台ファームの生産馬としては2003年の当歳セールで競り落とされたフサイチジャンク以来、21年ぶりとなる3億円超えホースとなった。

 母のコンペティションオブアイデアズは現役時代に3勝を挙げ、G1であるアメリカンオークスを制覇。繁殖入りした後日本に輸入され、既にAmerican Pharaoh産駒のマグナドムスが中央でデビューしている。

 一方、ダノンオブアイデアの父はエピファネイアに変わっており、クロスが兄の持つStorm Catの4×4からSadler‘s Wellsの4×5に変わった。これがどのような変化をもたらすか。

 2025年5月時点で栗東の藤原英昭厩舎に入厩し、ゲート試験も突破。デビューも早めの時期となりそうな同馬は、オーナーにとって「超期待」の名前とも考えられる。2002年に馬主となった野田氏の所有馬はほとんどが「ダノン」の冠名をつけられていることで知られているが、その中でも「ダノンオブ」を用いられた馬名は、ダノンオブアイデアの他には1頭しかいない。

 その馬はデビュー前「将来的には種牡馬にしたい」という話が出ていたほどの期待馬だったという。今回はそれ以来となる「ダノンオブ」の命名。どこかオーナーの想いを感じずにはいられないような馬名ではないだろうか。

【了】

(文●小早川涼風

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