情報の少ない2歳戦を予想する上で、ひとつの重要なファクターとなる「セールでの落札額」。高額で落札された馬は、それだけホースマンが喉から手が出るほど欲しかった馬という前提があるのだ。今回は、2024年のセレクトセール・1歳馬部門において高額（ただし、2億円以上を基準）で競り落とされた馬を5頭を選び、紹介する。今回は2頭目。

②イエッサー（3億4000万円）

性別：牡
生年月日：2023年4月12日
毛色：鹿毛
馬主：藤田晋
生産牧場：ノーザンファーム

　2021年に競馬界へ馬主として参入して以降、毎年高額馬をセリで“爆買い”している藤田晋氏。そんな彼が2024年のセレクトセール・1歳馬部門において、最も高値で購入したのがイエッサーである。

　彼の血統表には、1999年のジャパンカップで戦ったスペシャルウィークとモンジューの名が父方、母方それぞれの3代父に立ち並んでいる。
それだけでなく、母であるイーヴンソーの近親には日本で産まれ、世界の舞台を賑わしているハーツクライ産駒のコンティニュアスやディープインパクト産駒のサクソンウォリアーがおり、競馬ファンの胸を熱くさせる構成となっている。

　母はこのイエッサーが初仔でまだまだ未知数なところも多いが、近親の活躍を考えると日本競馬には適応できそうな予感はある。育成場からも「エピファネイア産駒としては良くも悪くも落ち着きがあるが、欲を言えばもうひとつ前進気勢が出るとさらに良い動きができる」とのコメントが出ている。果たしてロマンに溢れたダイヤの原石は、今後のどのような成長を遂げ、競馬場に姿を現してくれるだろうか。

【了】

（文●小早川涼風）

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