1957年に創設された大阪杯。長らく春の古馬GⅠ戦線へのステップレースとして位置づけられていたが、2017年のGⅠ昇格を機に、その注目度はさらに高まった。そんな伝統の古馬中距離重賞を最も速く走破したのはどの馬なのか。ランキング形式でじっくりと振り返っていく。

1位: 2023年 ジャックドール（タイム：1分57秒4 天候:晴 馬場:良）

　第1位のタイムは、2023年にジャックドールが記録した1分57秒4だった。

　この年の大阪杯は、二冠牝馬スターズオンアース、エリザベス女王杯の覇者ジェラルディーナ、前走の日経新春杯を勝ったヴェルトライゼンデなど、実力馬が揃った一戦となった。

　レースがスタートすると、2番人気で初G1制覇を狙うジャックドールが、好スタートを決めそのままハナへ。鞍上の武豊騎手の思惑通り、最初の1000m59秒を切る、58秒9のタイムで通過。

　直線では、近走の不振で10番人気に甘んじた、ダノンザキッドが2番手に上がるが、ジャックドールの勢いは衰えない残り200mを切ると、後方からスターズオンアースが猛追。ゴール前は3頭が横一線となり、スターズオンアースの勢いが勝るかに見えた。しかし、最後まで粘ったジャックドールがハナ差で振り切り、悲願のG1初制覇を果たした。

　このレースでジャックドールが記録した1分57秒4は、大阪杯のレースレコードとして刻まれることとなった。

【了】

（文●目白明）

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