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クロフネ産駒の最高傑作は? (1)ロードカナロアを退けたスプリント界の女王。芦毛の快速少女

text by 中西友馬

現役時代は、NHKマイルCを制していながら、ダート2戦のパフォーマンスの高さから、日本競馬史上最強ダート馬の呼び声も高いクロフネ。屈腱炎によって現役引退となったが、種牡馬としても能力の高さを受け継ぐ産駒を多数輩出している。そんなクロフネ産駒の中から、5頭をピックアップして紹介する。一頭目はカレンチャン。

CurrenChan
カレンチャン

カレンチャン

 初年度産駒となるフサイチリシャールが2歳G1である朝日杯FSを勝利するという、超絶ロケットスタートを決めたクロフネ産駒。その特徴としては、フサイチリシャールこそ牡馬であったが、その後の活躍馬に牝馬が多かったことだ。実際、産駒デビューとなる2005年から毎年重賞勝利を重ねていったクロフネ産駒であったが、2007年〜2012年の間に挙げたJRA重賞勝利15勝は全て牝馬。

 その中でも、短距離戦線を引っ張っていたのがカレンチャンであった。カレンチャンは、2007年生まれのクロフネ第5世代。父の芦毛を受け継いだ快速娘は、デビュー2戦目にダート1200mで初勝利。続く萌黄賞も初芝ながら連勝を飾る。

 3歳春のOPで賞金を加算することはできなかったため、出世に少し時間はかかったが、4歳春に阪神牝馬Sで重賞初制覇。そこから破竹の重賞4連勝でスプリンターズSも勝利し、一気にG1馬まで上り詰めた。

 この年のスプリンターズSは、シンガポールのロケットマンが出走。日本勢に抜けた馬がいないと見られていたこともあり、単勝1.5倍の断然人気に推されていた。しかしそのロケットマンを4着に下す、新星カレンチャンの勝利に日本は沸いた。

 さらに翌年の高松宮記念では、のちに香港スプリント連覇を果たすロードカナロアを3着に下し、スプリントG1秋春制覇を達成。牝馬によるスプリントG1秋春制覇は史上3頭目の快挙であった。

 現役引退後は繁殖牝馬となり、現役時代のライバル、ロードカナロアを父に持つ2番仔のカレンモエが重賞で2着3回の活躍。その後は不受胎も続いたが、昨年5年ぶりとなる父リーチザクラウンの第6仔が誕生。久々の産駒誕生に、活躍が期待されている。

【了】

(文●中西友馬

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