HOME » セレクト » キンカメ産駒獲得賞金ランキング【第9位】牝馬三冠を獲得!ターフを可憐に舞った赤い鳥

キンカメ産駒獲得賞金ランキング【第9位】牝馬三冠を獲得!ターフを可憐に舞った赤い鳥

text by 目白明

日本競馬史上初めて、NHKマイルCと日本ダービーの変則二冠を達成したキングカメハメハ。圧倒的な強さを誇りながらも、屈腱炎のため通算8戦7勝の成績で引退となった。しかし、彼は種牡馬としても数々の名馬を輩出した。今回は、そんなキングカメハメハ産駒の中から、獲得賞金が最も多かった馬をランキング形式で紹介する。今回は第9位。

Apapane
第15回秋華賞を制したときのアパパネ

9位 アパパネ(5億5,859万円)

 父キングカメハメハに初のG1タイトルと、初の三冠をもたらした孝行娘・アパパネ。その猛々しい勝負根性は、数々の記録を刻んでいった。

 3戦2勝の成績で挑んだ阪神ジュベナイルフィリーズは、中団追走から、馬群を鋭く突き抜け優勝。初勝利からは3連勝で、2歳女王の座に輝くとともに、父キングカメハメに初のG1タイトルをプレゼントした。

 前哨戦を2着で終え迎えた桜花賞。4、5番手からレースを進め、4コーナーから追い上げを開始。ゴール前で先頭を捉え、1着でフィニッシュ。この時点で、賞金は2億円を突破した。

 続くオークスは2400mの距離に対応できるのかという、心配も指摘されていたが、単勝3.8倍の1番人気に推された。

 レースでは中団から進出し、4コーナーで大外へ持ち出すと、直線では内を走るサンテミリオンを一度かわす。しかし、サンテミリオンも盛り返し、2頭が並んだままゴール。写真判定は実に12分にもおよび、結果はJRA・G1史上初の1着同着。2頭の樫の女王が誕生し、アパパネは二冠を達成した。

 三冠をかけた秋華賞。前哨戦では4着に破れたものの、本番では1番人気の支持を受けた。スタート後、アパパネは中団の後方まで下げると、3コーナー付近で外からスパート。直線で力強く抜け出し、残り200mで先頭に立つと、そのまま押し切ってゴール。史上3頭目となる牝馬三冠を達成し、父キングカメハメハに初の三冠をもたらした。この年の獲得賞金は、約3億3000万円にのぼった。

 牝馬三冠馬となったアパパネは、4歳時にヴィクトリアマイルを制し、G1・5勝目を飾ると、エリザベス女王杯でも3着に入るなど、牝馬G1戦線で存在感を示した。最終的に5億5859万円もの賞金を獲得し、競馬史に名を刻んだ。

【了】

(文●目白明

【関連記事】
【キングカメハメハ産駒獲得賞金ランキングトップテン】1~10位 全紹介
【キングカメハメハ産駒獲得賞金ランキングトップテン】第1位
【キングカメハメハ産駒獲得賞金ランキングトップテン】第2位