イラストレーター・えいたが選ぶ「心に残る名馬」たち(4)その男、ストライクゾーン狭めにつき
名勝負の記憶、競走馬が紡ぐドラマ――競馬ファンなら誰しも心に残る“推し”があるはず。新企画『私の“推し〇〇”』では、競馬に魅了された著名人が、特別な思いを抱く馬やレースへの熱い想いを語ります。第1回は、X(旧Twitter)やインスタグラムで競馬イラストを発信する人気イラストレーター・えいたさん(@eitanokeiba)に『推しの馬』について伺いました。えいたさん特製の書き下ろしイラストにもご注目ください。4頭目はウォーエンブレム。

ウォーエンブレム
父としてのウォーエンブレムには、競馬のロマンが詰まっています。種付け数は決して多くないにもかかわらず、まるで狙い撃ちするかのように活躍馬を輩出しているのが魅力です。(JRA出走頭数105頭、重賞勝利数は9勝うちGI2勝)
私がウォーエンブレムを意識するようになったのは、2012年にローブティサージュが阪神JFを制したときのことでした。ちょうどその頃、競馬好きの友人に「ウォーエンブレムっていうすごい種牡馬がいるんだよ」という話を聞き、調べるうちに彼の魅力に惹かれていきました。
ウォーエンブレムはミスタープロスペクター系の新たな血を、日本に取り入れるための有力馬として期待されていました。しかし、ウォーエンブレムは気に入った牝馬にしか興味を示さず、種付けにはかなり苦労したみたいで……。(笑)
それでも気が向けば、しっかりと役割を果たしてくれます。そして生まれてきた仔は、活躍する確率が高い。事実として2年目世代には、秋華賞馬のブラックエンブレムを輩出しています。そういう話を聞いて、「生き様が格好いいな」と男として憧れたのもありますね。(笑)
もちろん、ウォーエンブレム自身が活躍する産駒を狙って出しているわけではありませんが、実績が出ているのがすごい。その偶然も競馬の一つのロマンだと感じます。
【了】
(文●加島亮介)
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