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G1未勝利馬獲得賞金トップテン【8位】 地方交流で荒稼ぎ! 50戦をこなしたタフネス牝馬

text by TOM

競走馬の一生において、G1タイトルを手にする馬はごくわずか。その舞台に立つこと自体が難しく、勝つには実力だけでなく運も必要だ。現役最終戦でG1制覇を果たしたステイゴールドのような例もあるが、ほとんどの馬が勝てずに引退していく。今回はそんなG1未勝利馬で獲得賞金ランキングのトップ10に入った馬たちを紹介する。今回は第8位。

Preeminence
プリエミネンス

8位 プリエミネンス(5億9039万600円)

性別:牝馬
戦績:50戦13勝 [13-9-7-21]
主な勝ち鞍:03年彩の国浦和記念(Jpn2)、02年エルムS(G3)

 1997年にグランド牧場で生まれたプリエミネンスは、牝馬ながら通算50戦ものレースを消化し、彩の国浦和記念(Jpn2)など重賞8勝を挙げた。39戦がダート競走で、うち19戦は地方交流競走であった。

「抜群、卓越、傑出」といった意味を持つ馬名のごとく、歴戦のダート猛者を相手に、ダート界の牝馬としては「抜群」の大活躍をみせる。マリーンC連覇をはじめ、関東オークスやクイーン賞、スパーキングレディーCなど、南関東競馬の牝馬限定の交流重賞を総なめ。4歳には、獲得賞金が約2億円となった。

 また圧巻だったのが、5歳時の活躍ぶりではないだろうか。7月に盛岡で行われたマーキュリーC(Jpn3)を9馬身差の圧勝やG3エルムSでは単勝1.7倍の断然人気に応えるなど3連勝。

 勢いに乗って臨んだJBCクラシック(Jpn1)では、後にダート界で一時代を築くアドマイヤドンを抑えて、堂々1番人気の支持を集めた。レースではそのアドマイヤドンから7馬身遅れた2着に敗れたが、この年最後の一戦となったG1ジャパンCダートでも0秒4差の4着に入り、改めて実力を証明。約2000万円を加算した。

 同年、プリエミネンスは10戦4勝、2着2回、3着1回で、掲示板を外したのは8着に敗れたG1フェブラリーSの1戦のみで、獲得賞金は中央、地方あわせて2億円超の荒稼ぎだった。

 その後も現役を引退する7歳まで、コンスタントに賞金を加算し続け、総獲得賞金は6億円近くとなった。期待を背負ってアメリカで繁殖入り後、2010年にグランド牧場に戻った。アメリカ産馬として日本で走ったハヤブサエミネンスや種牡馬となったヴィットリオドーロなどを輩出し、17年に繁殖馬を引退し、いまも牧場の功労馬として大事にされながら余生を送っている。

【了】

(文●TOM

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