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【朝日杯FS 考察】2歳マイル王になり得る激走馬を探せ! 今の京都で“切れる脚”を使えるのは?

text by 中西友馬

今週は2歳マイル王決定戦・朝日杯フューチュリティステークスが開催される。先週の阪神ジュベナイルフィリーズと同じ京都競馬場で行われるということで、傾向を踏まえたうえで予想をすることができる貴重な1週間である。上がりが速く、ラストも失速しない京都で激走しそうな馬を探す。

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阪神JFでの予想をそのまま流用できる

【前回の記事を読む】阪神JF 考察 34年ぶりの京都開催という観点から激走馬を考察する

 先週の阪神JFは、単勝5番人気のアルマヴェローチェが勝利。鞍上の岩田望来騎手は、デビュー5年目にして悲願のG1初制覇となった。

 一方、先週このコーナーで取り上げた5頭の結果は、
ビップデイジー(8番人気2着)
テリオスララ(7番人気3着)
ミーントゥビー(18番人気7着)
ランフォーヴァウ(10番人気11着)
ブラウンラチェット(1番人気16着)
となった。

 人気薄の2着馬と3着馬を取り上げることはできていたが、勝ち馬のアルマヴェローチェを拾うことはできず。奇しくも同じようにラップに注目して考察した、菊花賞の時を思い出すような1着抜けの結果となった。

 ただ、今回はもう一度チャンスがある。今週の朝日杯フューチュリティステークスも、同じ舞台で行われるからだ。ということで、先週の結果も踏まえてデータをアップデートしながら、朝日杯フューチュリティステークスの考察を行いたい。

 まずは、先週の阪神JFでどんな馬を狙ったのかをおさらい。今年は阪神ではなく京都開催ということで、阪神と京都ではどのような違いがあるのかを検証。その結果、京都は上がりが速く、ラストも失速しないレースが多いという結果が出た。

 そこから、京都競馬場の平均値であるレース上がり34秒3以内、ラスト2Fの失速幅0秒2以内で勝利経験のある5頭を推奨したという流れであった。詳しくは先週のバックナンバーを見ていただきたい。

 そして実際、今年の阪神JFはどうだったかというと、ラスト3Fが12.0-11.5-11.4でレース上がりが34秒9、ラスト2Fは0秒1加速していた。

 今年はロングラン開催となったぶん、レース上がりは34秒3よりかかったが、それでもここ10年の阪神で行われた阪神JFの平均値より速かった。土曜日の雨予報は気になるが、今週からDコースとなることもあり、先週より速いレース上がりとなっても不思議はない。

 そしてラスト2Fは、失速幅が少ないどころか加速ラップ。紫菊賞で上がりの速い加速ラップを経験していたビップデイジーが、2着に好走した要因のひとつであったと考えられる。となると、今週も基本的には同じスタンスでいきたい。ただやはり、先週の結果を受けてのアップデートは必要。

 先週抜けてしまった勝ち馬のアルマヴェローチェは、デビューから2戦ともに札幌で、さらに2戦とも良馬場ではなかった。そのぶんレース上がりに関しては、34秒3どころか35秒台の経験すらなかったのである。それでも、デビューから2戦ともにラスト2Fの失速幅は0秒2以下のレースであった。ちなみに、阪神JFの上位3頭はアルマヴェローチェ以外の2頭も、経験したレース全てがラスト2Fの失速幅が0秒2以内の馬たち。

 これを踏まえて今週は、レース上がりに関しては洋芝や重馬場には目をつぶり、ラスト2Fの失速幅重視で考えてみたい。

 そこで今回は先週と同じく、レース上がりが京都の平均値である34秒3以下で、ラスト2Fの失速幅も京都の平均値である0秒2以内。こういうレースで勝利経験のある馬を探すのだが、勝ったレースが良馬場以外or洋芝(函館・札幌)の場合は、レース上がりに関しては気にしないこととする。さらに追加条件として、ラスト2Fの失速幅が0秒2以内のレースを複数回経験していることを加えてみた。

 少しややこしくなってしまったが、この条件に当てはまる馬は、エイシンワンド、ダイシンラー、ニタモノドウシの3頭。次点でミュージアムマイルとなった。ミュージアムマイルは黄菊賞でレース上がりをクリア、新馬と未勝利でラスト2Fの失速幅をクリアしている。推奨馬とまでは言えないながらも、噛み合わないだけでともに水準レベルには達していた。

 この中で個人的には、前走札幌で上がり34秒4の脚を使って勝利したニタモノドウシに注目。京都ならさらに切れる脚を使える可能性十分で、朝日杯フューチュリティステークスを2勝しているムーア騎手が鞍上というのも心強い。

【了】

(文●中西友馬)

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