レガレイラは堅軸or消し? 3歳牝馬の成績とローテーションから導く取捨【エリザベス女王杯 考察】
競馬ライター・中西友馬がお送りするオカルトではない“まじめな”ほうのG1考察、今回はエリザベス女王杯に出走する3歳牝馬レガレイラについて考察してもらった。2歳時にG1ホープフルSを制覇、ダービー5着など牡馬と互角に渡り合っており、能力上位なのは間違いないが……?
3歳牝馬と古馬の成績はほぼ互角
4日(月)に行われた、JBC4競走。そのうち佐賀で行われた3競走に関して、『連覇』をキーワードに考察した記事を先週更新したわけだが、メインの内容となっていたキングズソードが回避という波乱の幕開けとなった。しかし残りの2レースに関しては、過去のデータから連覇は厳しいという結論に至り、実際に2頭とも馬券外という結果となった。もちろん人気馬を1頭消しただけで、必ず馬券の的中にたどり着けるわけではないが、読んでいただいた皆さまに、多少なりとも貢献できたのであれば幸いである。
さて今週は、3歳馬vs古馬の女王決定戦、エリザベス女王杯が行われる。秋華賞を制したチェルヴィニアや、昨年覇者のブレイディヴェーグの回避は残念だが、馬券的にはどこからでも狙えるメンバー構成となった印象だ。
その中でも注目を集めるのは、今年唯一の3歳馬による参戦となるレガレイラだろう。比較的小粒となった今年のメンバーの中で、2歳時とはいえ牡馬相手にG1を勝利し、ダービーでも5着と健闘した実績は光る。
そこで今回は、人気の中心となることが予想されるレガレイラの取捨選択を考察するために、エリザベス女王杯における3歳馬の好走パターンと凡走パターンについて調べてみた。最初に書いたとおり、3歳馬は今年レガレイラ1頭のみの参戦であるため、万が一レガレイラが回避となるとボツになってしまうリスクのある考察であるが、どうかレガレイラが無事にゲートインすることを祈って、書き進めていく。
まずはエリザベス女王杯が古馬に開放された1996年以降における、3歳馬の過去の成績を調べると、133頭が出走し【9-9-6-109】というものであった。勝率は約7%、複勝率は約18%という数字となった。比較するために、3歳馬以外の古馬の成績を同じように出すと【19-19-22-271】となり、勝率は約6%、複勝率は約18%という数字となった。
まったくと言っていいほど大きな差はなく、3歳馬と古馬の成績はほぼがっぷり四つであった。ただ、3歳馬は比較的人気になりやすいぶん、古馬と同じ成績では物足りない気もする。
ではこの中から、3歳馬が好走する時のパターンを見ていきたい。過去28年で馬券圏内の3着以内に入った3歳馬は24頭。その馬たちの共通点を探していくことにする。
まず最初に目につくのはローテーションだ。24頭中20頭が前走秋華賞組であった。例外4頭には外国馬のスノーフェアリーも含まれており、やはり3歳馬の中では秋華賞組が断然の存在であることが分かる。
次の共通点は、3歳になってから勝利を挙げていること。これは24頭中23頭が該当しており、例外はシーズグレイスのみ。先週のJBC考察コラムにも書いたが、牝馬は近走の勢いが重要なファクターとなる傾向があるようだ。
最後の共通点は、レガレイラも出走したローズSに関してのもの。秋華賞組がエリザベス女王杯の王道路線なら、秋華賞への王道路線がローズS組。そのため、24頭中15頭という過半数が出走していた。そしてそのうち11頭が、ローズSで3着以内の成績を残していた。また残りの4頭のうち、アパパネとメイショウマンボの2頭は、3着馬とタイム差なしの4着であった。
この3つが、エリザベス女王杯における3歳馬の好走パターンと言えるが、今年出走のレガレイラに当てはめてみる。
まず、レガレイラは秋華賞に出走していない。そして昨年のホープフルS以来、勝利から遠ざかっている。また、ローズSは5着で、3着馬から0.2秒離されていた。
ということで以上3つのデータから、このコーナーの結論としては、レガレイラは消しと判断する。
しかし、まずはとにかくレガレイラが無事に出走してくれることを祈るのみである……!
(文●中西友馬)
【関連記事】
・三冠牝馬リバティアイランドの勝率は0%!? 穴党必見のデータを発見【天皇賞(秋) 考察】
・イグナイター、アイコンテイラー連覇の可能性は? キングズソード回避で混沌とするJBCを考察
・GⅠエリザベス女王杯【過去の結果 -1980年以降 】