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【アルゼンチン共和国杯 有力馬診断】ジャパンカップにつながる馬はでてくるのか!? 本命候補を探る

11月3日、東京競馬場にて行われるアルゼンチン共和国杯に向けて、『競馬の教科書(オーパーツ・パブリッシング)』の著者・玉嶋亮がXアカウントで有力馬の評価を行っている。この記事では、玉嶋のXに投稿された内容をまとめ、◎候補と△候補に分類された馬を分析していく。

Seleccion

◎候補馬(軸候補)

クロミナンス
日経賞や目黒記念で先着を許しているシュトルーヴェとは大きな力差があるが、アルゼンチン共和国杯のメンバーにはシュトルーヴェほどの強豪はおらず、目黒記念の時よりもメンバーが手薄。目黒記念では中団で脚を溜めてから差してきたシュトルーヴェに先着を許したが、今回は日経賞2着という実績が生きる展開だろう。重賞で安定して好走し、馬群の中でのストレスにも強いクロミナンスは、メンバーの中でも上位に評価できる一頭だ。

サヴォーナ
オールカマーでは外目から好位追走で4着に粘るも、前残りの展開に恵まれず、前を捉えきれなかった内容には同情の余地がある。一方、日経新春杯ではブローザホーンの外差しに屈しつつも2着。ややイン有利のトラックバイアスだったことを考えれば、ブローザホーンとの差は着差以上と見るべきで、内容としては評価できる。アルゼンチン共和国杯のメンバーは日経新春杯よりも手薄であり、あの時と同様の内容を発揮できれば十分に通用する。

セレシオン
新潟記念で素晴らしい進展を見せたセレシオンは、元々力のある馬。キングズパレスやレッドラディエンスを上回る上がり32.8で追い込んだ点は評価に値する。関越Sでは3着に敗れたが、前残りの展開で後方から上がり33.1の末脚を見せた点も、堅実な末脚の持ち主であることを証明している。アルゼンチン共和国杯のハンデ57.0kgは手頃で、現在の東京のフラットな馬場が続けば非常に高評価が期待できる馬だ。

ラーグルフ
近走は振るわないが、戦ってきた相手が強力すぎた面が大きい。札幌記念やAJCCでの雨馬場、そして大阪杯での格上相手を考えれば、新潟記念の回避も含め、ここに至るまで凡走が続いているのは無理もない。昨年の中山記念で2着、中山金杯でも快勝していることからも、今回のメンバーでは能力上位に位置する。アルゼンチン共和国杯ではメンバーがさらに手薄になり、このメンバー相手なら巻き返しが期待できる。

△候補馬

ショウナンバシット
札幌2600mのオープン特別を連勝しており注目を集めているが、相手関係が手薄なメンバー構成だったため、連勝を額面通りには受け取れない。現時点でのMI値は75ptで、小結当落線上。展開や枠順に恵まれる場合に限り、押さえておきたい一頭といえる。

ハヤヤッコ
過去に函館記念を制し、ハンデ重賞では何度も好走を重ねた実績を持つ。だが、ここ数戦ではパフォーマンスに翳りが見え始めており、アルゼンチン共和国杯の優勝ラインが80pt前後とすると、少々能力的には厳しいか。展開に恵まれれば好走の可能性もあるが、当落線上の評価だ。

マイネルウィルトス
日経賞で3着の実績があり、クロミナンスともほぼ差のない競馬をしたものの、目黒記念では実力差を見せつけられた。かつての重賞での安定したパフォーマンスからはやや翳りが見え、勝ち切るには厳しいと考えられる。

ミクソロジー
ダイヤモンドSで重賞を制しているが、今年のテーオーロイヤルの内容と比べると、典型的な低レベルの長距離重賞だった。MI値は71ptで、番付でいうと「小結」レベルにも届かないため、オールカマーで惨敗した内容からもアルゼンチン共和国杯での好走は厳しいと見るべき。

メイショウブレゲ
京都大賞典では外差しで好走し、1、2着のシュヴァリエローズやディープボンドには届かなかったものの見せ場を作った。アルゼンチン共和国杯のトラックバイアスや展開次第では外差しが決まる可能性もあり、好走が期待できる一頭だ。

【了】


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<プロフィール>
玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。2024年10月に新著『競馬の教科書 秋G1特別増刊号』を刊行。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。

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