
来年の牝馬クラシックを占う重要な一戦として注目を集める、2歳女王決定戦「阪神JF」。いよいよ今週末に行われるこの一戦を前に、各馬の能力を「実績」「適性」「騎手」の3つの観点から分析する。各項目を【1〜10】のスコアで評価し、有力馬の一覧表で強みと不安要素を整理して紹介していく。[3/3ページ]
——————————
各馬の評価②
ヒズマスターピース
前走:9
血統:9
騎手:7
前走は、好ダッシュからハナを切り、そのまま後続を寄せつけずに押し切ってみせた。初戦の中山2000mでは息切れした感じだったが、これで東京マイルで2戦連続での逃げ切り勝ち。馬体もシェイプアップし、時計も1秒3詰めた。
血統面は、父がスクリーンヒーロー、母がフランスG3で2着のあるイプスウィッチ。半兄に函館記念を制したヴェローチェエラがおり、成長すれば中距離までは問題なくこなしそう。
騎手に関しては、今回が初騎乗となる藤岡佑介騎手の手綱。今年はここまで47勝を挙げて全国リーディング21位につけており、7点評価となっている。
マーゴットラヴミー
前走:7
血統:6
騎手:8
大外枠からでも好ダッシュを決めてハナを切ると、直線は後続を突き離して3馬身差の快勝。初戦は先行抜け出しだったが、1ハロン延長した今回は逃げの手で連勝を飾った。小柄な牝馬で阪神の坂が課題だが、スピードは通用。
血統面は、父がリアルスティール、母が米国産馬のキャントバイミーラヴ。血統からのみで判断すると、ダート寄りのイメージも持ちそうではあるが、新馬戦をレコード勝ちしているように、芝向きのスピードも兼ね備えている。
騎手に関しては、今回が初騎乗となる武豊騎手の手綱。今年はここまで70勝を挙げて全国リーディング11位につけており、8点評価となっている。
ラスティングスノー
前走:6
血統:7
騎手:6
好ダッシュからハナを切ると、余裕のある手ごたえといった感じではなかったが、最後までしぶとく伸びて後続の追い上げを凌ぎ切った。ただ、前走は雨で渋った馬場も味方をした印象が強く、パンパンの良馬場では半信半疑。
血統面は、父がモズアスコット、母が中央1勝のプレザントブリーズ。半兄にスプリングステークス3着のプラチナヴォイスがいるが、父母の距離適性からは短距離〜マイルがベストの印象。
騎手に関しては、今回が初騎乗となる菱田騎手の手綱。今年はここまで23勝を挙げて全国リーディング45位につけており、6点評価となっている。
【了】
【著者プロフィール:中西友馬】
大学卒業後、競馬新聞社に入社し、約7年間専門紙トラックマンとして美浦に勤務。テレビやラジオでのパドック解説など、メディア出演も行っていた。2024年よりフリーライターとしての活動を始め、現在は主に、株式会社カンゼンが運営する競馬情報サイト『競馬チャンネル』内の記事を執筆している。
【関連記事】
・G1阪神ジュベナイルフィリーズのデータ分析【レースレコード・過去の結果 – 1991年以降 】
・G1香港マイルのデータ分析【日本調教馬の歴代成績・過去10年の傾向 – 1993年以降 】
・G1香港スプリントのデータ分析【日本調教馬の歴代成績・過去10年の傾向 – 2000年以降 】



