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【北九州記念 有力馬診断】重賞2勝目を狙うエイシンワンドの評価は?混戦必至のレースを制すのは…

7月6日、小倉競馬場にて行われるG3・北九州記念に向けて、『競馬の教科書(オーパーツ・パブリッシング)』の著者・玉嶋亮がXアカウントで有力馬の評価を行っている。この記事では、◎候補と△候補に分けて各馬を分析し、レースの行方を占う。

2024年小倉2歳Sを制したエイシンワンド
2024年小倉2歳Sを制したエイシンワンド

◎候補馬(軸候補)

アブキールベイ

葵ステークスは低レベルな世代限定戦の1200m重賞ではあったものの、差し切り勝ちを収め穴をあけた。
北九州記念においても、葵ステークスのレベル次第ではあるが、北九州記念のメンバーが小粒であることを考えると、連勝を果たしてもおかしくない。

クラスペディア

葵ステークスでは、アブキールベイの外強襲に屈するも、クロッカスステークスと同様に逃げて進展を見せた。
前半1Fのラップに着目すると、クロッカスステークスは12.9で楽に逃げポジ、葵ステークスは12.0で強引に手綱をしごいて逃げポジ。
上記をまとめてわかることは、葵ステークスでは逃げポジだったものの、ダッシュ力が決してある訳ではない。
一方で、ダッシュ力がなくても、脚を使って強引にでも先手を取りにいくほうがクラスペディアにとっては良さそうであるということ。
『競馬の教科書シリーズ』でも解説している『前例踏襲主義』の通りであれば、葵ステークスとクロッカスステークスで上手くいった強引にでも逃げポジ、ないしは悪くても先行する可能性が高い。
そうなった場合、イン有利のトラックバイアス、前残り展開になれば、この時期の3歳馬は斤量に恵まれるので、惰性での押し切りも。

エイシンワンド

近走では惨敗を繰り返しているが、元々は小倉2歳ステークスを快勝している馬。
その後は、スプリント路線よりも相対的にレベルが高い京王杯2歳ステークスや朝日杯フューチュリティステークスに挑戦するも、壁に阻まれた格好である。
いつも『競馬の教科書シリーズ』で啓蒙している通り、日本競馬のピラミッドは2000mが頂点で、そこからマイル、スプリントへ向かうに連れて、レベルが下がっていくのが原理原則である。
特に、京王杯2歳ステークスは格付けがG2で賞金が高いため、1400m戦の中では特にレベルが高いため、朝日杯フューチュリティステークスを含め同情の余地がある。
ここまで惨敗を繰り返してきたが、スプリントへと戻り急激な相手弱化、斤量が楽になることを考えると、北九州記念での巻き返しがあってもおかしくない。

◎候補ほか(ドロップオブライト、ヨシノイースター)

△候補馬

モズメイメイ

サマースプリントシリーズで獅子奮迅の活躍で優勝争いを演じたが、内容としては一線級には遠く及ばない。
セントウルSでは、外からアッサリとトウシンマカオとママコチャに交わされており、スプリント路線G1級との格の違いを見せつけられた格好。
阪急杯は、スプリンターズステークスほどではないが、優勝争いを演じたサマースプリントシリーズよりメンバーが強い。勝ち切るまではどうか?

カリボール

前走のパラダイスステークスでは、単勝200倍を嘲笑うかのような激走で快勝だった。
気掛かりなのはラップ構成。1:21.7、ラスト35.5-12.5は、東京コースにしては平凡であり、特筆するようなものではない。
また、パドック映像を時系列でチェックすると、朝10:00過ぎまではパドックで傘を差している人がチラホラ。雨が降っていたことが判る。
さらには、この日のダートは終日重馬場であり、パラダイスステークスは稍重発表であったものの、これらの事象を紐解いていくと、重馬場適性を要求される『パターンE』のトラックバイアスだった可能性が高い。
まとめると、パラダイスステークスは、ラスト12.5で垂れても後続が追いかけてこない不発に助けられた感が強いので、この激走を額面通りに受け取る必要まではない。

ロードフォアエース

9戦連続で連対を果たしている安定勢力でコンスタントに能力を発揮できるのがロードフォアエース最大の長所である。
一方で、オープンに上がってからは、先着を許したヨシノイースター、カルチャーデイ、キタノエクスプレスには到達順位、着差の通り以上に完敗の内容であり、なんとか食い下がっての2着という内容。
さらには、春雷ステークス、北九州短距離ステークスでは、3着以下の面々に迫られるシーンすらあり、先述した通りなんとか2着を確保した内容。
今回は先着を許したヨシノイースター、キタノエクスプレスに加えて、去年のサマースプリントシリーズで優勝争いを演じたモズメイメイや、勢いのある3歳馬もいる。
したがって、北九州記念は相手強化の一戦で、勝ち切るのには相当恵まれる必要がある能力水準である。

△候補ほか(キタノエクスプレス、モズメイメイ、ヤマニンアルリフラ、ヤマニンアンフィル)

【了】


プロフィール

玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。

▼競馬の教科書シリーズ▼
https://tamashimaryo.wixsite.com/my-site

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