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【弥生賞 有力馬診断】クロワデュノールを物差しに。ミュージアムマイル最上位も、ナグルファルの素質は?

3月9日、中山競馬場にて行われるG2弥生賞ディープインパクト記念に向けて、『競馬の教科書(オーパーツ・パブリッシング)』の著者・玉嶋亮がXアカウントで有力馬の評価を行っている。この記事では、◎候補と△候補に分けて各馬を分析し、弥生賞ディープインパクト記念の行方を占う。

Naglfar
エリカ賞を制した時のナグルファル

◎候補馬(軸候補)

ナグルファル
エリカ賞は、離れた2番手を単独で追走し、馬群密度の小さい「ポツン」に近いレース展開に恵まれた。また、メンバーのレベル自体が低く、条件戦を勝ち上がるのも厳しい馬が多かったため、レース結果そのものの評価は慎重にすべき。とはいえ、レース内容は圧巻で、まだ底を見せていない点は魅力的。素質馬であれば圧勝できるメンバー構成だったとはいえ、勝ち方のインパクトは十分。一気のメンバー強化で弥生賞は試金石の一戦となる。

ファウストラーゼン
ホープフルステークスでは、向こう正面から一気にスピードアップし、3コーナーを迎える前に先頭を窺う競馬で3着に健闘。スローペースの恩恵を受けたとも言えるが、それでもロスの大きい競馬で3着に粘った内容は評価できる。クロワデュノールとの差は大きいものの、それ以下の馬とは展開次第で互角以上の戦いが可能。弥生賞のメンバーを考慮すれば、勝ち負けに加わる実力は十分にある。

ミュージアムマイル
黄菊賞では、スローペースながらも上がり33.7の脚を繰り出し、ゴールまで着差を広げる圧巻の勝利。重賞級の能力を証明する内容だった。さらに、朝日杯FSではスタートで出負け気味ながらもリカバリーして先団へ取り付き、その後は道中で掛かり通しの厳しい展開。それでも2着にまとめたのは非常に強い内容。スローの前残りとなったため、アドマイヤズームとの差は位置取りの影響が大きく、むしろミュージアムマイルの実力が際立つレースだった。弥生賞では、スタートで後手を踏むとチグハグな競馬になるリスクがあるため、過信は禁物。しかし、能力的には最上位クラスであり、順当に好走が期待できる。

△候補馬

ジュタ
ホープフルステークスでは4着に善戦。1着のクロワデュノールとは明らかに力の差があったものの、2,3着のジョバンニやファウストラーゼンとの差は着順ほど大きくない。道中の位置取りや3,4コーナーでのコーナーワークを考慮すれば、逆転の余地も十分にある。クロワデュノール不在の弥生賞では、ジュタの能力水準でも十分に好走可能だ。

ヴィンセンシオ
葉牡丹賞では、3頭の接戦を制し無傷の2連勝。弥生賞で3連勝を狙う。葉牡丹賞は、前半59.4と条件戦としてはやや流れた展開。フラットな競馬だったと仮定すると、2着ゲルチュタール、3着リトルジャイアンツとの差はわずかであり、実力的には互角に近い。また、3着リトルジャイアンツが共同通信杯で3着と健闘したものの、大きく離されての3着だったため、世代トップとの力差は依然大きい。弥生賞では、朝日杯FSで「負けて強し」の競馬をしたミュージアムマイルや、底を見せていないナグルファルと比べるとやや評価を落とすが、それでも上位争いには加われる存在だ。

クラウディアイ
ホープフルステークスでは5着に敗れたが、上位勢とは能力差を見せつけられた内容。しかし、外からしっかりと末脚を伸ばしており、決して悪い競馬ではなかった。また、京都2歳ステークスでは、勝ち馬エリキング、2着ジョバンニといった実力馬を相手に善戦。ホープフルステークスと比べると、弥生賞はメンバーレベルが下がるため、相手なりに走るクラウディアイにも好走の余地は十分にある。

ほか

【了】

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<プロフィール>
玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。

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