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【中山記念 有力馬診断】連覇を狙うマテンロウスカイ。シックスペンスやソウルラッシュも中心

3月2日、中山競馬場にて行われるG2中山記念に向けて、『競馬の教科書(オーパーツ・パブリッシング)』の著者・玉嶋亮がXアカウントで有力馬の評価を行っている。この記事では、◎候補と△候補に分けて各馬を分析し、中山記念の行方を占う。

MatenroSky
第98回中山記念を制した時のマテンロウスカイ

◎候補馬(軸候補)

シックスペンス
毎日王冠ではスローペースの前残り展開バイアスを活かして先行し、流れに乗った競馬で勝利だった。そのレースでは、後方からの競馬となったローシャムパーク(後のBCターフ2着)やヨーホーレイク(京都記念1着)は展開の影響で不発だったため、完勝とまでは言えない。しかし、道中で前目にいたホウオウビスケッツ(天皇賞秋3着)、エルトンバローズ(マイルCS2着)を競り落としての勝利は評価に値する。特に、初めての古馬との対戦でこれらの実力馬を差し切った点は、高く評価すべきポイントである。中山記念は先行力が求められるレースになる可能性が高く、シックスペンスには有利な条件が揃いそうだ。

ソウルラッシュ
国内では、一昨年の京成杯AH以降、安定して馬券圏内を確保している堅実な実力馬。昨年のマイルCSではついにG1タイトルを獲得。自身のパフォーマンスは一昨年と大きく変わらないものの、マイル路線全体のレベル低下が影響した形での勝利だった。現在のマイル戦線は番付でいう『大関』クラス不在の戦国時代に突入しており、4歳世代のジャンタルマンタルやシックスペンス、アスコリピチェーノ、ステレンボッシュが参戦することで勢力図が塗り替えられる可能性がある。中山記念のメンバーは例年と比べても低調で、実力を発揮できれば59kgの斤量でも十分に勝ち負けになる。

マテンロウスカイ
昨年の中山記念を勝利。開幕週の馬場を活かし、前目で運んで押し切る競馬がハマった形だった。前走の東京新聞杯は、前有利の展開だったにもかかわらず5着に敗れたが、59kgを背負っていたことを考慮すれば、上位とは大きな差はなく、内容的には悲観する必要はない。むしろ、斤量差を考えれば上位入線馬と互角以上の競馬をしていた。昨年と同じく開幕週の中山で立ち回りの上手さを活かせれば、最上位クラスと遜色ない評価を与えて良いだろう。

△候補馬

エコロヴァルツ
ディセンバーステークスでは、離れた3,4番手で馬群の密度が低い位置をスローで追走し、前にいた2頭を捕まえる展開に恵まれた勝利。レースレベル自体が低かったこともあり、中山記念のメンバー相手では力不足感が否めない。また、セントライト記念では3着に入ったものの、アーバンシックやコスモキュランダとは明らかに力の差を見せつけられた。今回はソウルラッシュやシックスペンスといったG1級の馬が相手になり、現状の実力では上位争いは厳しそうだ。

アルナシーム
中山金杯では、メンバーのレベルは低かったものの、58kgを背負っての勝利は評価できるポイント。レース内容も、道中は内でしっかりと脚を溜め、勝負どころで馬群の中から外へ進路を切り替えつつ加速し、最後は外からまとめて差し切る見事な内容だった。中山記念では、ソウルラッシュやシックスペンスといった格上の馬が相手になるが、それ以外のメンバーの中では最上位クラスの評価を与えてよい。

パラレルヴィジョン
昨年のダービー卿CTでは、エエヤンが大逃げする展開を、離れた2番手で追走する展開に恵まれた勝利だった。それ以外のレースでは結果を残せておらず、高い評価は不要。中山記念はメンバーのレベルが高いため、展開やトラックバイアスに恵まれた場合のみ、抑え程度の評価が妥当。

ほか

【了】

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<プロフィール>
玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。

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