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【12/21-22新馬戦】エフフォーリアの全妹ジョスランが逃げ切りでデビュー戦を勝利で飾る

text by 中西友馬
Jocelyn
エフフォーリアの全妹ジョスラン

 先週の中央競馬は、中山・京都の2会場で行われ、新馬戦は8鞍行われた。

 21日(土)の中山芝1800mでは、エフフォーリアの全妹ジョスランが逃げ切りでデビュー戦を勝利した。また、22日(日)の京都ダート1800mでは、アメリカンファラオ産駒のタイセイドラードが2着に1秒9の差をつける大勝でデビュー戦を飾っている。その他の新馬戦を含めて全レースをダイジェストで紹介する。

12/21(土)
【中山】

5R 芝1800m
馬名:ジョスラン(牝)
父:エピファネイア
母:ケイティーズハート
母父:ハーツクライ
騎手:横山武史
厩舎:鹿戸雄一(美浦)
馬主:吉田和美
生産:ノーザンファーム
勝ち時計:1.51.2(良)
スタートでアオってしまったが、行き脚が良く先頭まで浮上。向かい風の影響もあったが、1000mの通過が64秒9というスローペースを作り出す。手ごたえ十分に直線へと向かうと、2着争いを尻目に悠々と逃げ切って新馬勝ち。逃げた馬に上がり3F33秒7でまとめられては、後続は手も足も出なかった。エフフォーリアの全妹で、先々まで楽しみな血統馬。ただあまりに楽逃げだったので、次走でもう一度見てみないと判断は難しい。

6R ダ1800m
馬名:メリークリスマス(牡)
父:ルヴァンスレーヴ
母:ローゼクヴァルツ
母父:スペシャルウィーク
騎手:菊沢一樹
厩舎:小手川準(美浦)
馬主:保坂和孝
生産:ヒダカファーム
勝ち時計:1.56.1(良)
好スタートから好位のポジションを確保。前半の1000mは63秒9とほぼ平均ペースで通過し、馬群の中で砂をかぶっても問題なく追走。4角で上手く馬群をさばいて前が開くと、逃げ粘る2着馬を目標に一完歩ずつ迫る。しぶとく粘る逃げ馬を、ゴール前できっちり交わして勝利。名前に注目がいきがちだが、勝ち時計も先週の新馬戦より0秒9速く、水準級。大物感はなくとも、レースセンスが良く大崩れしないタイプ。

【京都】

5R 芝1600m
馬名:フランクスピード(牝)
父:フランケル
母:インピード
母父:ベイテッドブレス
騎手:C.デムーロ
厩舎:高野友和(栗東)
馬主:キャロットファーム
生産:ノーザンファーム
勝ち時計:1.35.5(良)
少しスタートのタイミングは合わなかった感じもしたが、鞍上が抑えるぐらいの行きっぷりで好位の外め。前半の800m通過は47秒2と、新馬戦にしては活気のある流れで馬群は縦長。そんな流れを早めに動かしていって、直線に入るところで強気に先頭。もつれる2着争いを尻目に、3馬身半差の完勝であった。比較的ペースが流れていたにも関わらず、道中の行きっぷりは抜群。6番人気と伏兵評価だったが、ポテンシャルは優に重賞級と思われる。ただ、クラスが上がってももっとスローの展開になることは十分考えられ、そこで折り合えるかはまだ未知数。

6R ダ1400m
馬名:トウタツ(牡)
父:ダノンレジェンド
母:ショウナンダズル
母父:シャンハイボビー
騎手:幸英明
厩舎:大根田裕之(栗東)
馬主:中辻明
生産:澤井義一
勝ち時計:1.26.6(良)
ゲートの出はひと息で、道中は後方から。前半の600m通過は34秒9と、新馬にしては速めの流れ。前が息を入れたタイミングに合わせて、3角手前から一気に前へと浮上。直線の入り口では先行集団の外まで一気に並びかける。直線では、ねじ伏せるように先頭へと立つと、最後さすがに苦しくなったところへ2着馬が急追。クビ差まで迫られたが、なんとか振り切って新馬勝ち。速めの流れに加えてトウタツが前を潰したことによって、差し決着となった。勝ち方は派手であったが、前半流れたわりに勝ち時計は平凡。上のクラスで通用するには、もう少し力をつける必要がありそうだ。

12/22(日)
【中山】

5R ダ1200m
馬名:シュヴァルボヌール(牝)
父:ユリシーズ
母:オアシスミラージュ
母父:オアシスドリーム
騎手:C.ルメール
厩舎:加藤征弘(美浦)
馬主:山本又一郎
生産:ブルーミングファーム
勝ち時計:1.13.2(良)
少し伸び上がるようなスタートから、行き脚がついて3番手の外めにつける。ペース的には平均程度であったが、馬群はかなり縦長。直線入り口では楽な手ごたえで先頭に並びかけると、残り200mからは独走態勢。スプリント戦ながら2着に大差をつける圧勝であった。ただ、勝ち時計的には同日の2歳未勝利よりも1秒1遅い平凡なもの。レースレベルがあまり高くなかった可能性が大きく、次走確実に人気を背負うことを考えると、過剰評価は禁物。

6R 芝1600m
馬名:ディオデルマーレ(牡)
父:ロードカナロア
母:シーティス
母父:インヴィンシブルスピリット
騎手:R.ムーア
厩舎:堀宣行(美浦)
馬主:G1レーシング
生産:社台コーポレーション白老ファーム
勝ち時計:1.36.6(良)
好スタートから鞍上が押してポジションを取りに行き、好位馬群につける。周りの馬より早くから手が動いていたように見え、直線に入っても手ごたえは劣勢。3着争いがやっとに見えたが、鞍上の叱咤に応えてゴール前でひと伸び。3頭による大接戦を制して勝利を収めた。500キロを超える大型馬で、エンジンのかかりは遅いがしぶとく伸びるタイプ。使った上積みは見込めそうだが、今後はムーア騎手ほど追える騎手が確保できるかが鍵となる。

【京都】

4R ダ1800m
馬名:タイセイドラード(牡)
父:アメリカンファラオ
母:ミスベジル
母父:メダグリアドーロ
騎手:西村淳也
厩舎:杉山晴紀(栗東)
馬主:田中成奉
生産:ノーザンファーム
勝ち時計:1.54.7(良)
一番速いスタートから、あまり押すことはなく自然な形でハナを切る。前半1000mの通過は63秒7とほぼ平均ペースだったが、3角辺りから後続の手ごたえが悪い中、ただ1頭楽な手ごたえ。直線に入ると独走態勢を築き、最後は楽な手ごたえのまま、2着馬に1秒9の差をつける大差勝ち。勝ち時計も水準級にはあり、直線でほぼ持ったままだったことを考えると優秀な部類。ここ最近は毎週のように新馬勝ちを輩出しているアメリカンファラオ産駒から、大物候補が現れた印象だ。

6R 芝1800m
馬名:マトラコーニッシュ(牝)
父:サートゥルナーリア
母:エアマスカット
母父:ジャングルポケット
騎手:北村友一
厩舎:池添学(栗東)
馬主:社台レースホース
生産:猿倉牧場
勝ち時計:1.49.9(良)
ゆったりとしたスタートから、後方集団にポジションを取る。ただ馬群は一団で、先頭までの距離は7〜8馬身といったところ。その隊列のまま直線に向かうと、馬群の一番外から一気の伸び。残り200mを切ったあたりで前団まで飲み込むと、最後は流す余裕を見せての快勝。母の母が秋華賞馬エアメサイアという筋の通った血統で、一気に差し切った切れ味は、さすが良血馬といった印象。ラストあれだけ流しての加速ラップには好感が持て、上のクラスでも十分通用する器だ。

【了】

(文●中西友馬

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