伝統の2歳GⅠ・朝日杯FSが開催!川崎では2歳ダート王者決定戦【今週の注目レース】
今週の中央競馬は、先週に引き続き、中山・京都・中京の3場開催。中京に関しては、今年の最終週を迎える。2週連続の2歳G1となる朝日杯フューチュリティステークスを含む、2鞍の重賞が組まれている。
15日(日)には、京都競馬場で朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ・芝1600m)が行われる。注目は、サウジアラビアRCを勝利し、2戦2勝としたアルテヴェローチェ(牡2、栗東・須貝尚介厩舎)。
そのサウジアラビアRCでは、後方待機策から離れた大外を末脚一閃という、インパクトのある勝ち方。初戦は好位追走から抜け出すレースも見せており、戦法に幅があるのは大きな魅力。3連勝でG1制覇となれば、来年のクラシックの主役へと躍り出る。
同じく2戦2勝の重賞ウイナーなのが、トータルクラリティ(牡2、栗東・池添学厩舎)とパンジャタワー(牡2、栗東・橋口慎介厩舎)。
トータルクラリティは、前走で新潟2歳Sを制覇。抜け出してからフラフラとするなど、まだ若さを見せるレースぶりながら、2着馬に交わされてから差し返す勝負根性を見せての勝利。3ヶ月半ぶりの実戦となるも、ここを目標に仕上がりは良好だ。
パンジャタワーは京王杯2歳Sの勝ち馬。8番人気と伏兵評価での勝利であったが、中団から馬群の外を伸び、ゴール前でねじ伏せるような勝ち方には、着差以上の強さを感じた。今回はさらに1F延長となる点が鍵だが、その点さえクリアすれば有力馬の1頭となる。
その他にも、黄菊賞を3馬身差快勝のミュージアムマイル(牡2、栗東・高柳大輔厩舎)や、クローバー賞をレコードタイムで制したニタモノドウシ(牡2、美浦・高木登厩舎)などが出走を予定している。
14日(土)には、中山競馬場でターコイズステークス(GⅢ・芝1600m)が行われる。注目は、同じ中山競馬場で行われたフラワーCを制しているミアネーロ(牝3、美浦・林徹厩舎)。このフラワーCを含めて全2勝を中山で挙げており、紫苑Sでもレコード決着のクビ差2着と、コース適性に関しては疑う余地がない。
前走の秋華賞も、直線馬群を縫って伸びてくる見せ場たっぷりの内容で、2着馬からはコンマ3秒差の6着。世代トップからも大きく離されてはおらず、初の古馬相手でも好勝負は必至だ。
同じく3歳勢の重賞ウイナー、アドマイヤベル(牝3、美浦・加藤征弘厩舎)とイフィエオン(牝3、栗東・杉山佳明厩舎)も黙っていない。フローラS覇者のアドマイヤベルは、秋華賞で12着と大敗。ただ、初の関西圏のレースだった上にオークスからのぶっつけでプラス12キロ。成長分はあるにせよ、輸送も考慮して多少緩かったとも考えられる。
今回は関東圏のレースで叩き2戦目。初の中山に初のマイル、初の古馬との対戦と、今回も初物づくしではあるが、フローラSの内容からポテンシャルは十分ここでも通用する。
イフィエオンは同舞台のフェアリーSを勝利。その後も牡馬相手にNHKマイルCで5着に健闘するなど、マイル戦での戦績は、前出2頭を上回るものがある。クイーンS以来4ヶ月半ぶりの実戦となるが、3歳馬だけにさらなる成長にも期待できる。
その他にも、ヴィクトリアマイル4着の実績馬ドゥアイズ(牝4、栗東・庄野靖志厩舎)や、前走牡馬相手にカシオペアSを勝利したアルジーヌ(牝4、栗東・中内田充正厩舎)など、迎え撃つ古馬勢も好メンバーが出走を予定している。
また地方競馬では、11日(水)に川崎競馬場で全日本2歳優駿(Jpn1・ダ1600m)が行われる。
直線でどんどん外へと斜行する若さを見せながらもカトレアSを勝利したナチュラルライズ(牡2、美浦・伊藤圭三厩舎)など、2歳ダート界の頂点を目指す中央・地方の精鋭が川崎競馬場に集結する。
【了】
(文●中西友馬)
【今週の重賞スケジュール】
12/9(月)
トウケイニセイ記念(M2・水沢)
12/10(火)
12/11(水)
全日本2歳優駿(JpnⅠ・川崎)
12/12(木)
笠松グランプリ(SPⅠ・笠松)
12/13(金)
12/14(土)
ターコイズステークス(GⅢ・中山)
12/15(日)
朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ・京都)
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