2歳女王決定戦GⅠ阪神JFなど3重賞、日本馬が出走予定の『香港国際競走』が開催【今週の注目レース】
今週の中央競馬は、中山・京都・中京の3場開催。2歳牝馬頂上決定戦の阪神ジュベナイルフィリーズを含む、3つの重賞が組まれている。
8日(日)には、京都競馬場で阪神ジュベナイルフィリーズ(G1・芝1600m)が行われる。
2歳牝馬限定戦となってから初めての京都開催となる当レースの注目馬は、米国から参戦する4戦3勝のメイデイレディ(牝2・米国 J・リー厩舎)だろう。
デビューから3連勝でG2を制し、迎えた前走のBCジュベナイルフィリーズターフでは、1コーナーで接触し外に振られながらも、直線で力強く伸びて2着でゴールした。勝ったレイクヴィクトリアはクールモアグループの新星で、すでにG1を2連勝していた実績であった。その相手に不利がありながらも1と1/2馬身差まで迫った勝負根性は侮れない。鞍上には世界的名手、ランフランコ・デットーリ騎手が予定されている。
迎え撃つ国内勢は、アルテミスSを制したブラウンラチェット(牝2・美浦 手塚貴久厩舎)、ファンタジーSを勝利したダンツエラン(牝2・栗東 本田優厩舎)と、2頭の重賞ウィナーが参戦。その他、重賞好走組による巻き返しにも警戒が必要で、混戦模様となっている。
同日、中山競馬場ではカペラS(G3・ダ1200)が開催される。ここには前走のJBCスプリントで惜しくも2着だったチカッパ(牡3・中竹和也厩舎)を筆頭に、条件戦を連勝で突破してきた新進気鋭の3歳馬が数多く出走を予定している。
対する古馬勢は末脚自慢のクロジシジョー(牡5・栗東 岡田稲男厩舎)や昨年の覇者テイエムトッキュウ(牡6・栗東 木原一良厩舎)が、世代交代を阻止する壁となる。
カペラSの過去10年のデータでは、3歳馬が【3-0-1-9】と3勝で、出走馬の多い5歳以上は【3-7-8-97】で3勝。後者の母数が多く単純な比較はできないが、複勝圏内の入線は3歳馬が優勢であるこのレース、妙味がありそうな激戦必至だ。
7日(土)に中京競馬場で行われる中日新聞杯(G3・芝2000m)にも、注目馬が多数出走予定だ。
唯一の3歳馬であるコスモキュランダ(牡3・美浦 加藤士津八厩舎)が菊花賞からの参戦。今年は弥生賞を制し、皐月賞ではジャスティンミラノにクビ差の2着。秋もセントライト記念で2着と好走しており、初めての古馬との対戦でも、上位人気が予想される。
珍名馬として注目を集めているシランケド(牝4・栗東 牧浦充徳厩舎)は昨年以来の重賞参戦となる。前走の魚沼Sでは懸念されていたゲートの出が悪い方向に出てスローペースの中後方2番手からの競馬となったが、メンバー中ただ1頭33秒の末脚を繰り出して優勝。紫苑Sでも後方から3着に追い込んできており、その末脚は目を見張るものがある。
ドウデュースやイクイノックスと同世代で、前走のアンドロメダSで復活を飾ったデシエルト(牡5・栗東 安田翔伍厩舎)も注目だ。日本ダービー以降はダートに専念していたが、およそ2年半ぶりに芝に戻るとロードデルレイやトップナイフら、1世代下の実力馬を相手に快勝劇を挙げた。緩めのペースで逃げられればここも勝機はありそう。
そして、同日の香港シャティン競馬場では、「2024香港国際競走」が行われる。今年は9頭の日本馬が参戦予定となっており、香港カップ(8R、芝2000m)には、昨年の三冠牝馬リバティアイランド(牝4・栗東 中内田充正厩舎)とタスティエーラ(牡4・美浦 堀宣行厩舎)が今年の安田記念馬ロマンチックウォリアーに挑む。香港マイル(7R、芝1600m)にはマイルCSで悲願のG1初制覇を果たしたソウルラッシュとジャンタルマンタルが出走予定となっている。
【了】
(文●小早川涼風)
今週の重賞スケジュール
12/3(火)
ゴールドウィング賞(重賞・名古屋)
12/4(水)
勝島王冠(重賞・大井)
12/5(木)
ジェムストーン賞(重賞・大井)
園田金盃(重賞・園田)
12/7(土)
中日新聞杯(GIII・中京)
12/8(日)
阪神JF(GI・京都)
カペラS(GIII・中山)
香港ヴァーズ(G1・シャティン)
香港スプリント(G1・シャティン)
香港マイル(G1・シャティン)
香港カップ(G1・シャティン)
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