HOME » ニュース » 最新情報 » 【敗戦の本質 阪神JF ・有力馬の採点】スターアニスやアランカールなどを徹底分析

【敗戦の本質 阪神JF ・有力馬の採点】スターアニスやアランカールなどを徹底分析

text by 中西友馬
2025年阪神JFを制した時のスターアニス
2025年阪神JFを制した時のスターアニス

12月14日(日)に行われた阪神ジュベナイルフィリーズでは、2番人気のスターアニスが優勝を飾った。では、優勝馬を含む各馬の走りはどう評価できるのだろうか。今回はレースを終え、注目すべき3頭を取り上げ、「パフォーマンス」「舞台適性」「今後の伸びしろ」の三つの観点から、それぞれを点数化していく。[1/2ページ]
——————–

注目馬3頭の採点

スターアニス

着順:1着(2番人気)
パフォーマンス:10
舞台適性:10
今後の伸びしろ:8

 好スタートを切ったため、前に行く選択肢もあったとは思うが、中団に控える競馬。1200mや1400mを使ってきた馬だけに、序盤は若干行きたがる素振りは見せていたが、徐々に落ち着きを取り戻す。

 1600m未経験で距離に不安を抱える馬だと、なるべく内に入れて距離ロスを少なくしたくなりそうなものだが、松山騎手は終始外めを気分よく走らせることを優先。その松山騎手の信頼に応え、直線では外から力強く伸びて差し切り勝ちを収めた。

 母のエピセアロームは2011年の阪神JFで、2番人気の支持を集めながらも8着に敗戦。その母の無念を晴らす、鮮やかな勝利であった。

 エピセアロームに関しては、マイルデビューながら最終的にはスプリント路線へと舵を切った馬。この馬は母とは逆で、スプリント戦でデビューしたものの、少なくともマイルまでは問題なくこなすことを証明。

 内めをロスなく立ち回った2着馬とは、現時点では着差以上に大きな差があるように見え、オークスはともかく桜花賞の有力候補であることは間違いない。

ギャラボーグ

着順:2着(4番人気)
パフォーマンス:9
舞台適性:7
今後の伸びしろ:10

 スタートはほぼ五分だったが、周りの馬のスピードが速く、中団後ろのインコースでの競馬。これまで2戦は好位からのレースであったが、デビューから1800mを2戦使っていたことで、マイルG1の流れに戸惑っているようにも見えた。

 若干おっつけながらの追走ではあったが、直線では内を立ち回って好位までワープ。最内を狙ったマーゴットラヴミーと重なったことで多少進路を切り替える場面はあったが、一瞬はスターアニスにも並びかけるような脚いろ。

 最後は勝ち馬にもうひと伸びされてしまったが、堂々の2着であった。

 走った距離を思えば、現時点で勝ち馬との差はあるように見えたが、こちらはまだ未勝利戦を勝ったばかりの抽選対象馬。道中の行きっぷりからも、本質的にはマイルも少し短いように映った。

 その中でも3着馬とのクビ差の争いを制し、貴重な賞金上積みに成功。来年の牝馬クラシック戦線に向けて、余分なレースをひとつ使わなくて良くなったのは、大きな収穫であった。

1 2