8位 コスモバルク(4億8,216万円)
性別:牡馬
所属:田部和則(北海道)
戦績:48戦10勝 [10-8-1-29]
主な勝ち鞍:シンガポール航空国際C (GI)、セントライト記念(GII)、弥生賞(GII)、ラジオたんぱ杯2歳S(GIII)
『地方競馬からクラシックホースを』――その夢を実現するために奮戦したのが、マイネル軍団の総帥・岡田繫幸氏が送り出したコスモバルクである。獲得賞金4億8216万円のうち、地方で稼いだ金額はわずか1853万円。今回取り上げた馬の中でも異色の存在であり、その多くを中央の舞台で手にした稀有な地方馬だった。
北海道でデビューしたコスモバルクは、4戦目にJRAの東京競馬場へ遠征し、百日草特別を勝利。ここから、彼の長い挑戦が始まった。クラシックのトライアルを制しながらも、あと一歩届かなかった本番の皐月賞。海外遠征では、シンガポール航空国際カップを制し、日本調教馬として初のシンガポールG1勝ち馬となる快挙を達成。国内外を問わず、数々の激闘を繰り広げた。
そんなコスモバルクだが、3歳の時点で既に稼いでいた賞金は3億4436万円に達していた。クラシック戦線でトライアル競走を2勝し、皐月賞やジャパンカップでも2着に食い込むなど、当時のJRAトップクラスと渡り合い、その結果、生涯獲得賞金の約7割を3歳シーズンだけで手にしていた。
古馬になってからは、ディープインパクトやダイワスカーレットといったJRAの歴史的名馬たちと対峙。強豪ひしめく中での戦いは厳しく、思うような成績を残せなかったが、挑戦を続けるその姿勢は、多くのファンの記憶に刻まれている。コスモバルクの走りと果敢な挑戦は、これからも色あせることなく語り継がれていくだろう。