1位 フリオーソ(8億4,544万円)
性別:牡馬
所属:川島正行(船橋)
戦績:39戦11勝 [11-14-2-12]
主な勝ち鞍:全日本2歳優駿(JpnI)、ジャパンダートダービー(JpnI)、帝王賞 (JpnI)、川崎記念 (JpnI)
フリオーソは、船橋でデビューすると順調に勝ち星を重ね、JRA勢との初対決となった全日本2歳優駿で、いきなりG1級のタイトルを手にした。春先に挑んだ中央の芝重賞は完敗に終わったが、ダートに戻ったジャパンダートダービーでJRA勢を下し、G1級2勝目をマークする。地元・南関東の交流重賞では、まるで負ける気がしないかのような完勝劇を演じた。
その後も全国のダート一線級を相手に戦い続け、交流重賞を何度も制した同馬は、そして7歳の川崎記念では、ついに1.0倍の1番人気に推された。レースはその期待に応え、2着のメイショウタメトモに5馬身差の圧勝。この勝利で通算の獲得賞金が7億円を超えたフリオーソは、勢いそのままに、中央のフェブラリーステークスへと挑んだ。結果こそ惜しい2着に終わったが、後方から中央の実力馬をごぼう抜きし、勝ち馬トランセンドに肉薄したその末脚は、まさに地方総大将としてふさわしい走りであった。
以降も引退までダートの第一線で活躍し続け、獲得賞金額は、なんと8億4544万6000円。この記録は2025年1月現在も破られておらず、地方馬の歴代最多獲得賞金となっている。ちなみに、彼が最も賞金を稼いだレースは2勝をあげた帝王賞で1億4000万円。帝王賞がG1級に昇格した後、同レースを2勝したのは、フリオーソが初めてだった。
全39戦中、34戦を交流重賞で走ったフリオーソ。全国各地で強豪と戦い続けた彼の名は、その功績を称え、船橋競馬場で行われる『フリオーソレジェンドカップ』と共に、未来へ語り継がれていくだろう。
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(文●小早川涼風)