1位 G1ヴィクトリアマイル
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1着 テンハッピーローズ
単勝 20860円
14番人気
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堂々の第1位に輝いたのは、単勝オッズ200倍超のブービー人気から下剋上Vを果たしたテンハッピーローズによるG1ヴィクトリアマイル。この結果は、1984年にグレード制が導入されて以降のG1における単勝高配当ランキングで第4位に相当する。
1989年のエリザベス女王杯で、20頭立て最低人気だったサンドピアリスが演出した配当4万3060円の大波乱は不滅の大記録。それに続くのが、2014年フェブラリーSで16頭立て最低人気ながら逃げ切り勝ちを収めたコパノリッキーの配当2万7219円。そして第3位は、2000年スプリンターズSで最低人気だったダイタクヤマトが記録した2万5750円。テンハッピーローズの勝利はこれらに次ぐ高配当記録となり、重賞全体でも歴代7位にランクインした。
レース前の人気は、前年の秋華賞で牝馬三冠馬リバティアイランドに迫ったマスクトディーヴァが単勝オッズ2.3倍の1番人気に支持された。鞍上にはジョアン・モレイラ騎手を迎え、期待を集めた。続く2番人気は、2023年G1マイルチャンピオンシップを制し、前走ドバイターフで僅差の2着と健闘したナミュールで単勝オッズ2.5倍。この2頭が人気を二分した。
その後には、NHKマイルC2着や阪神牝馬S2着と実績を積み上げてきたウンブライルなど、10頭もの重賞勝ち馬が続いた。一方で、重賞未勝利馬は13番人気ルージュリナージュとテンハッピーローズの2頭のみというハイレベルなメンバー構成だった。
春のマイル女王決定戦は、人気の中心だったナミュールの出遅れで波乱の幕開けとなった。一方のテンハッピーローズは互角のスタートから後方5~6番手を追走。抜群の手応えで直線を迎えると、不利を受けたマスクトディーヴァを尻目に、持ち前の切れ味を発揮した。
上がり3ハロン33秒9の鋭い末脚で一気に突き抜け、テンハッピーローズはG1初挑戦での快挙を成し遂げた。また、デビュー21年目の苦労人である鞍上の津村明秀騎手にとっても、待望のG1初タイトルとなった。
さらに、テンハッピーローズは直前の追い切りで、頭を高く左上に傾けながら“暴走”気味に走る映像がSNSで話題になっていた。その「バズった」映像が、単勝オッズの高騰を助長した可能性もある。
そして2着にはクリストフ・ルメール騎乗の4番人気フィアスプライドが入り、マスクトディーヴァが3着に食い込んだ。馬単は30万3260円、3連単は91万6640円という大波乱の結末となった。
(文●TOM)