④2009年(勝ち馬ナカヤマフェスタ)
ロックドゥカンブの勝利から2年が経った、2009年のセントライト記念。皐月賞馬アンライバルドは神戸新聞杯へと出走し、ダービー馬ロジユニヴァースは状態が整わずに秋を全休。そのため、セントライト記念は手薄なメンバー構成と見られていた。
その結果、新興勢力に期待するファンが多く、格上挑戦ながら初勝利から3連勝と勢いのあったアドマイヤメジャーが単勝1番人気に推され、発走を迎えた。
レースは、ブレイクナインがハナを切り、内からヒカルマイステージが2番手につける展開。この2頭で後続を少し引き離す逃げを打っていく。人気のアドマイヤメジャーはいつもより少し後ろのポジション、中団やや後方寄りから進めていた。前半1000mの通過は60.9秒と、比較的ゆったりとしたペースで進んでいく。レースが動いたのは、4角手前。前の2頭のリードが一気に縮まり、ハナを切っていたブレイクナインは後退気味。代わってヒカルマイステージが先頭へと立ち、馬群は一気に凝縮。そのまま4角を回り、最後の直線へと向かう。
直線に入ってもヒカルマイステージが先頭をキープしていたが、長く脚を使って伸びてきたナカヤマフェスタがそこへ並びかける。残り200mで粘るヒカルマイステージを交わすと、内外から追いすがる後続各馬を振り切って勝利。半馬身差の2着には、ナカヤマフェスタの内を伸びてきたセイクリッドバレーが入り、外を伸びたフォゲッタブルがさらにクビ差の3着。人気のアドマイヤメジャーも上がり最速の脚で迫ったが、4着が精一杯であった。
勝ったナカヤマフェスタは、東スポ杯2歳S以来10ヶ月ぶりの勝利で、重賞2勝目。皐月賞8着、ダービー4着と、春は届かなかったクラシック制覇に向けて好発進を切ったが、続く菊花賞では12着に敗れた。しかし、翌年の宝塚記念では8番人気の低評価を覆し、G1初制覇。勢いそのままに秋はフランス遠征を敢行すると、凱旋門賞では勝ったワークフォースにアタマ差まで迫る2着と大健闘。日本調教馬悲願の凱旋門賞制覇まで、あと一歩に迫る走りを見せた。