HOME » コラム » 5選 » 「福永祐一とのコンビが印象深い」名馬5選! 涙のダービー初制覇や無敗の三冠制覇 » ページ 3
Cesario
第66回オークスを制したシーザリオと福永祐一騎手

③シーザリオ

 プリモディーネでのG1初勝利から5年が経った2004年の年末。福永はまたも素質を秘める1頭の牝馬と出会う。それがシーザリオであった。2歳の12月にデビューした同馬は、牡馬を相手に新馬勝ち。さらには、中1週+距離延長となった年明けの寒竹賞でも、牡馬相手に連勝を飾る。続くフラワーCも単勝1.4倍という断然の人気に応えてデビューから無傷の3連勝を飾り、桜花賞へと駒を進めた。

 しかしこの年の牝馬クラシック戦線にはもう1頭、デビューから福永が手綱を執る有力馬がいた。それがラインクラフトであった。

 桜花賞で福永は先約であったラインクラフトに騎乗し、シーザリオには名古屋競馬の吉田稔騎手が騎乗することとなった。結果は、好位から抜け出したラインクラフトが1着、後方から猛追したシーザリオがアタマ差の2着と、福永のお手馬によるワンツー決着となった。そして、ラインクラフトはNHKマイルC、シーザリオはオークスを次走に選択し、ともに勝利。オークスに関しては、福永にとって前年のダイワエルシエーロに続く2年連続の勝利であった。

 その後シーザリオはアメリカ遠征を敢行し、アメリカンオークスを制覇。日本調教馬として初のアメリカG1制覇を果たし、日米オークス馬に輝いた。しかし、帰国後に繋靭帯炎を発症。さらに翌年、復帰を目指しての調整過程で再発が確認され、現役引退が発表された。

 現役引退後は繁殖牝馬として、3頭のG1馬を輩出。中でも3番仔のエピファネイアは、福永とのコンビで菊花賞を制覇。この勝利は、牝馬クラシックを既に5勝(桜花賞2勝、オークス3勝)していた福永にとっての牡馬クラシック初勝利であり、同時に父・洋一との菊花賞親子制覇でもあった。

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