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Queen Spumante
第34回エリザベス女王杯を制したときのクィーンスプマンテ

⑦2009年(勝ち馬クィーンスプマンテ)

 ファインモーションの衝撃Vから7年が経った、2009年のエリザベス女王杯。この年人気を集めていたのは、3歳馬のブエナビスタ。

 桜花賞とオークスを制した春の2冠馬で、牝馬3冠を懸けた秋華賞では、レッドディザイアにハナ差及ばず2位入線(その後3着降着)となっていた。ただ、秋華賞も負けて強しのレース内容で、レッドディザイアの出走していないエリザベス女王杯では、単勝1.6倍という圧倒的な1番人気に支持されていた。

 レースは、クィーンスプマンテがハナを切り、その直後にテイエムプリキュアがつける展開。ブエナビスタは例によって、後方集団からレースを進めていた。前半1000mの通過は60秒5というほぼ平均ペースながら、前の2頭と3番手以下との差はグングンと広がり、20馬身以上の差がついていた。

 ブエナビスタの鞍上である安藤勝騎手もこの異常事態を察知したのかいつもより早くポジションを上げ、4角手前で3番手まで浮上。そのまま4角を回り、最後の直線へと向かう。

 しかし直線に入っても、ブエナビスタから前の2頭まではまだ20馬身近くの差があった。前は、逃げるクイーンスプマンテの外からテイエムプリキュアが並びかけ、完全な一騎打ちムード。

 残り150m辺りから再び突き離したクィーンスプマンテが、1馬身半の差をつけて勝利。2着にはテイエムプリキュアが粘り込み、レース上がりを3秒9上回る脚で猛然と追い込んだブエナビスタであったが、テイエムプリキュアからクビ差の3着までとなった。

 勝ったクィーンスプマンテは、単勝77.1倍の11番人気。2着のテイエムプリキュアも単勝91.6倍の12番人気で、馬連10万超、3連単150万超の大波乱となった。

 クイーンスプマンテは3度目の重賞挑戦だったが、過去2度はともに惨敗。前走京都大賞典9着からの見事な巻き返しであった。そして鞍上の田中博騎手も、デビュー4年目にして嬉しいG1初勝利となった。

 その後、香港Cを最後に現役を引退したクィーンスプマンテは、繁殖牝馬となる。そして5番仔のアスティは、騎手引退後に調教師へと転身した、田中博康厩舎所属でデビューを果たすこととなったのである。

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