HOME » コラム » 5選 » 川田将雅に初G1をもたらしたキャプテントゥーレなど! GⅠ馬の登竜門【デイリー杯2歳S 名勝負5選】 » ページ 4
Gendarme
第52回デイリー杯2歳Sを制したときのジャンダルム(写真左)

④2017年(勝ち馬ジャンダルム)

 エアスピネルの勝利から2年が経った、2017年のデイリー杯2歳ステークス。この年は9頭立てと比較的少頭数ながら、単勝オッズ10倍を切る馬が半数を超える5頭もおり、混戦模様であった。

 1番人気はフロンティア。2戦2勝と無敗で新潟2歳Sを制しており、重賞連勝を狙って出走してきていた。2番人気はメガリージョン。未勝利を勝ったばかりであったが、今回と同じ京都芝1600mでの好内容勝ちが評価されていた。

 3番人気はケイアイノーテック。2歳戦開幕週の新馬戦を快勝すると、一度立て直してここまで待機。+22キロの馬体重が示す通り、別馬のような馬体になって出走していた。4番人気はカツジ。今回と同じ、京都芝1600mの新馬戦を勝った1戦1勝馬。初戦は重馬場だったため、パンパンの良馬場でどんなパフォーマンスを見せてくれるかに期待が集まっていた。

 そして5番人気がジャンダルム。母はスプリントG1を2勝しているビリーヴという良血馬で、こちらも新馬戦を勝ったばかりの1戦1勝馬。初戦で跨った武豊騎手が負傷のため、短期免許で来日中のアッゼニ騎手に白羽の矢が立っていた。この5頭までが単勝10倍を切る人気に推され、発走を迎えた。

 レースは、好ダッシュを決めたカクリョウがハナを切るも、その外にメガリージョンが並びかけ、2頭が並走する形となる。そのすぐ後ろにカツジがつけ、インコースからフロンティアも続く。ジャンダルムとケイアイノーテックもそのすぐ後ろで並走の形となり、人気各馬は前々でほぼ一団となる。

 しかし、隊列が固まった向正面でアクシデントが発生。先頭の外につけていたメガリージョンがズルズルと後退し、そのままレースを中止。単騎先頭となったカクリョウはペースを落とし、後続各馬は大きな集団となって4角を回り、最後の直線へと向かう。

 逃げるカクリョウを、残り250m辺りでカツジが捕えて先頭へと立つ。しかし、それを目標にその内から鋭く伸びたのがジャンダルム。残り150m辺りでカツジを差し切ると、そのまま押し切って勝利。2着には一旦先頭のシーンがあったカツジが入り、外を伸びたケイアイノーテックが3着となった。

 勝ったジャンダルムは、デビューからの連勝で重賞初制覇。鞍上のアッゼニ騎手も、JRA重賞初勝利となった。ジャンダルムはその後、ダービーを目指す計画で中距離路線へと進むが、そのダービーでは17着に大敗してしまう。

 古馬になるにつれてスプリンターだった母の血が騒ぎ出し、7歳のスプリンターズSでついにG1タイトルを奪取。母ビリーヴとの母仔制覇に加え、手綱を執った荻野極騎手にとっても嬉しいG1初制覇という、記録づくしの勝利であった。

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