HOME » コラム » 5選 » 砂の女王の称号をかけた熱戦! サンビスタやホワイトフーガなど【JBCレディスクラシック名勝負 5選】 » ページ 2
Medeia
写真は2012年2月26日阪神7Rを制したときのメーデイア

②2013年(勝ち馬メーデイア)

 ミラクルレジェンドの連覇から1年が経った、2013年の金沢JBCレディスクラシック。JBCクラシックやスプリントと同じJpn1級の格付けがついた初年度となったこの年は、戦前から1頭の馬に注目が集まっていた。

 それがメーデイアである。同年の年始に1600万下(現3勝クラス)の身ながら、格上挑戦となったTCK女王盃で重賞初制覇。そこから牝馬限定の交流重賞は4戦4勝と無双状態であった。前哨戦のレディスプレリュードも、単勝1.2倍という断然の支持に応えて勝利し、ここに駒を進めていた。

 オッズはなんと1.0倍の単勝元返し。2番人気の馬でさえ単勝10倍以上という、G1級では滅多に見ない圧倒的な1番人気であった。

 レースは、内枠から好ダッシュを決めたトシキャンディがハナを切る展開。メーデイアは2番手集団のインコースをするすると上がり、1コーナーでは単独の2番手を確保することに成功する。3〜4コーナーの中間あたりでは楽な手ごたえでトシキャンディに並びかけ、そのまま先頭へと上がって4角を回り、最後の直線へと向かう。

 前は早めに先頭に立ったメーデイアが粘り込みを図る。その後ろから、道中ずっとメーデイアを見る形で進めていたアクティビューティが2番手に上がり、必死に追いかける。しかし、最後までメーデイアの脚いろは衰えず、アクティビューティとの3馬身差をキープしたままの快勝であった。アクティビューティから2馬身差の3着には、好位からしぶとく脚を伸ばしたキモンレッドが入った。

 勝ったメーデイアは、断然の人気に応えてG1級初制覇。翌年のTCK女王盃で連覇を達成し、交流重賞6戦6勝という圧倒的な成績を残して現役を引退した。繁殖牝馬としても、2023年の浦和記念を制覇したディクテオンを輩出し、活躍を見せている。

 しかし、そんな牝馬限定の重賞では無双していたメーデイアでも、JBCレディスクラシック直後のJCダートでは13番人気10着。パワーを必要とするダートでは、芝以上に牡馬一線級との力差が大きかった。しかし翌年、そんな競馬界の常識を覆す牝馬が現れる。

1 2 3 4 5 6