③2006年(勝ち馬ブルーコンコルド)
サウスヴィグラスが有終の美を飾ってから3年が経った2006年。この年は初の川崎開催であったが、川崎のスプリント戦である900mと1400mはフルゲートが12頭。よって、最大14頭まで出走できる1600mに白羽の矢が立った。そのため、この年のJBCはクラシックとマイルで行われることとなった(2回目以降の川崎開催は、1400mで開催されている)。
そんな歴史に残るJBCマイルを制したのは、前年のJBCスプリントも勝利しており、変則連覇となったブルーコンコルドであった。ブルーコンコルドは単勝2.0倍の1番人気。前年のJBCスプリントに加え、直前の南部杯も制してG1級2勝目を飾っての出走であった。
対する単勝2.8倍の2番人気に支持されたのが、ブルーコンコルドと同世代の牝馬、メイショウバトラーであった。こちらは小倉大賞典を制している、芝の重賞ウィナー。6歳シーズンからダートに転向し、2戦目から重賞3連勝での出走であった。
レースは、ナイキアディライトが何が何でもという形でハナを切る。加速のついた2ハロン目は、10秒5というスーパースプリント戦のようなラップを刻んでいった。
そんな中、メイショウバトラーは中団位置からの競馬となり、さらにその背後にブルーコンコルドは控えていた。レースが動いたのは3角。外を回って徐々に進出していたメイショウバトラーが、早くも先頭へと並びかける。一気に先行勢をまくり切ったメイショウバトラーが先頭に立ち、4角を回って最後の直線へと向かう。
直線では一旦4馬身ほど抜け出したメイショウバトラー。セーフティーリードにも思われたが、外から2番手に上がったブルーコンコルドが急追。残り100mで一気に交わし去ったブルーコンコルドが、最後はメイショウバトラーに2馬身差をつけて勝利。内からジリジリ脚を使ったリミットレスビッドが、さらに2馬身差の3着となった。
勝ったブルーコンコルドは、翌年はJBCクラシックに出走。前人未到の3階級制覇に挑んだ。結果はヴァーミリアンの4着に敗れたが、スプリント戦から中距離までオールマイティーに力を発揮する名馬であった。