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Alluring Voice
第10回ファンタジーSを制したときのアルーリングボイス

③2005年(勝ち馬アルーリングボイス)

 ラインクラフトの勝利から1年が経った、2005年のファンタジーステークス。この年の主役は、2歳11月の時点で既に4勝目をゲットしたアルーリングボイスであった。

 アルーリングボイスは、7月の阪神でデビュー。新馬戦こそクビ差の惜敗で2着に敗れたが、武豊騎手が初騎乗となった2戦目で3馬身半差の快勝。初勝利を挙げると、勢いそのままに小倉2歳Sも勝利。母であるアルーリングアクトも1999年の小倉3歳Sを制しており、母娘制覇となった。

 そして1400mに初挑戦したききょうSでは、牡馬相手に1キロ重い斤量を背負いながらの勝利を飾った。2戦目からの3連勝でファンタジーステークスに駒を進めており、単勝2.5倍の1番人気に支持されて、発走を迎えた。

 レースは、ハナを主張したティーサーとフォーナインミダスが並ぶようにしてハナを切る展開。若干競り合うところがあったためか、2歳戦にしては淀みのない流れで進んでいく。

 1200mでは逃げて連勝していたアルーリングボイスだったが、前走のききょうSも控える競馬で結果を残しており、今回も中団前めにポジションを取っていた。その隊列のまま4角を回り、最後の直線へと向かう。

 前は好位集団を追走していたラッシュライフが抜け出し、後続との差を広げにかかる。そこに伸びてきたのが、外に持ち出すために一旦後方までポジションを下げていたアルーリングボイス。大外に持ち出してからは一頭違う脚いろで強襲した。

 ゴール前で測ったようにラッシュライフを捕えて勝利を収めた。クビ差の2着に一旦抜け出したラッシュライフが入り、そこから2馬身離れた3着争いは、ニシノタカラヅカが制した。

 勝ったアルーリングボイスは、2歳11月ですでに4勝目を挙げ、阪神JFでも1番人気に支持された。しかしそこで14着と大敗すると、歯車が狂い出す。

 結局それ以降で連対を果たしたのは、得意の小倉で2着した北九州記念のみ。このファンタジーステークスでの勝利が、5歳まで続けた現役生活において最後の勝利となったのであった。

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