②2004年(勝ち馬ラインクラフト)
ロンドンブリッジの勝利から7年が経った、2004年のファンタジーステークス。この年は、注目を集めていた馬が2頭いた。
1頭目はライラプス。1400mの新馬戦は牡馬相手に3馬身差の快勝。同じく牡馬相手のデイリー杯2歳Sでも2着に健闘していた。牝馬限定で1400mへと戻るここで注目を集めるのも当然で、単勝2.6倍の1番人気に支持されていた。
もう1頭の注目馬は、ラインクラフト。こちらは新馬戦を勝ったばかりであったが、その新馬戦が5馬身差の圧勝であった。加速ラップで後続を一気に突き放した内容は圧巻で、ライラプスと僅差の単勝2.7倍に推されていた。
レースは、5枠2頭が好ダッシュを決めるも、内枠を利してクロユリジョウがハナを切る。ラインクラフトは先行勢を前に見るようにして、好位のインを確保した。ライラプスはその後ろの中団グループから進める展開となる。その隊列のまま4角を回り、最後の直線へと向かう。
前は逃げ粘るクロユリジョウに、2番手からツルマルオトメが並びかける。しかし、その外へと持ち出していたラインクラフトが一気に伸び、残り200mで先頭へと立つ。
連れて伸びてきたモンローブロンドも2番手に上がるが、ラインクラフトとの差は詰まるどころかむしろ広がっていく。そのままラインクラフトが4馬身差の圧勝劇。2着にモンローブロンドが入り、後方から馬群を割って伸びてきたリヴァプールが3着となった。
勝ったラインクラフトはその後、翌年の桜花賞でシーザリオとのハナ差の争いを制してG1初制覇。続くNHKマイルカップも制したが、その翌年の放牧中、急性心不全によって天国へと旅立った。
まだまだ重賞やG1で活躍できる年齢だっただけに、非常にショッキングな知らせであった。また、シーザリオが繁殖牝馬としても活躍馬を多数輩出していることから、母として再びのライバル対決を待ち望んでいたという声も大きかった。